電子セグメントの売上高は前年同期比414億円増の2668億円となり、営業利益は同265億円増の364億円となった。同セグメントのディスプレイ事業は、液晶用ガラス基板の出荷数増加や販売価格の上昇などにより、前年同期に比べ増収。電子部材事業は、EUV露光用フォトマスクブランクスなどの半導体関連製品やオプトエレクトロニクス用部材の出荷数が増加したことに加え、為替の効果により前年同期に比べ増収となった。
化学品セグメントの売上高は同139億円増の4394億円だった。営業利益はエッセンシャルケミカルズの販売価格下落の影響などにより、同33億円減の446億円となった。同セグメントのエッセンシャルケミカルズは為替による増収効果があったものの、苛性ソーダや塩化ビニール樹脂の販売価格が下落したことから、売上高は前年同期並みだった。パフォーマンスケミカルズは為替の影響や販売価格の上昇により売上高は前年同期に比べ増収した。
ライフサイエンスセグメントの売上高は同82億円増の1000億円。営業利益はバイオ医薬品CDMO(医薬品製造受託機関)事業における能力増強に伴う先行費用の発生などにより、同90億円減の167億円の損失となった。同セグメントは新型コロナウイルス感染症関連製品の特需消失やバイオベンチャーへの資金流入減などによる減収影響を受けたものの、為替による増収効果に加え、受託案件精算に伴う一時収入などにより売上高が増加した。
宮地氏は、「ライフサイエンスセグメントの収益改善施策に関して、シアトル拠点の人員削減を2024年度第2四半期に実施し年間17億円の固定費を削減したほか、ロングモント拠点を同第3四半期に凍結し、遺伝子細胞治療用のキャパシティーを適正化し年間25億円の固定費を減らすなど固定費の削減を進めている。さらに、シアトル拠点のオペレーションを改善し米国食品医薬品局(FDA)から3つの製品で認証を取得するなど、受注/売上増加策も推進している」と語った。
ライフサイエンスセグメントの中長期的な見通しについて、見積もり提案金額が増加基調にあることから、バイオ医薬品CDMO事業の業績悪化の内部要因解消と市場環境回復により設備の稼働率は徐々に上昇するとみている。中計期間中は追加の増強投資を行わず、既存設備の稼働率上昇を最優先課題として取り組む。2026年にライフサイエンスセグメントの黒字化を達成し、次期中計期間中の早期に営業利益300億円を超える水準を目指す。
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