モノづくりの工程・活動におけるデジタル技術の活用は大きく進んでおり、「活用している」としたモノづくり企業(以下、デジタル技術活用企業)の割合は2019年が49.3%だったのに対し、2023年は83.7%と大きく上昇した。従業員数の規模別でみると、従業員数が301人以上の企業については9割を超えている(図21)。
モノづくり企業がデジタル技術を活用するためには、それらの技術を活用できる人材を確保/育成する必要があるが、デジタル技術活用企業は「自社の既存の人材に対してデジタル技術に関連した研修・教育訓練を行う」「デジタル技術に精通した人材を中途採用する」などの取り組みを積極的に行っている(図22)。
従業員数の規模別でみると、従業員数が301人以上の企業は、「デジタル技術に精通した人材を中途採用する」や「デジタル技術に精通した人材を新卒採用する」「出向・派遣等により外部人材を受け入れる」とする割合が高い。一方で、従業員数が300人以下の企業はそれらの項目の割合が低く、「デジタル技術の活用は外注するので社内で確保する必要はない」とする割合が高い。加えて、デジタル技術の活用が進んでいる企業では、従業員数の規模にかかわらず、自社でのデジタル技術に関する人材育成の取り組みを充実させている。(図23)。
デジタル技術活用企業における、デジタル技術の活用による効果については「作業負担の軽減や作業効率の改善」が最も高い。また、デジタル技術の活用が進んでいる企業においては、8割を超える企業が「作業負担の軽減や作業効率の改善」に効果を実感しており、4割程度の企業が「人手不足の解消」や「労働時間の短縮や休暇・休日の増加」など人事面への効果も実感している(図24)。
2019年と2023年の状況を比べると、従業員数に関係なく、売上総額については、デジタル技術の活用が進んでいる企業が「増加」又は「やや増加」した割合が最も高くなっている(図25)。
営業利益については、従業員数300人以下の企業においては、デジタル技術の活用が進んでいる企業が「増加」又は「やや増加」した割合が最も高くなっている。一方で、従業員数301人以上の企業については、営業利益と従業員の処遇について、デジタル技術活用の度合いによる大きな違いはみられない(図26、図27)。
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