Wrike Japanがクラウド型ワークマネジメントプラットフォーム「Wrike」の新機能「DataHub」を発表するとともに、日本市場での事業戦略を発表。日本国内での導入社数は2019年の700社から2024年は2.7倍となる1900社以上に増加しており、今後も製造業向けソリューションを投入するなどしてさらなる浸透を図る方針だ。
Wrike Japanは2024年10月16日、東京都内で会見を開き、クラウド型ワークマネジメントプラットフォーム「Wrike」の新機能「DataHub」を発表するとともに、日本市場での事業戦略を発表した。日本国内での導入社数は2019年の700社から2024年は2.7倍となる1900社以上に増加しており、今後も製造業向けソリューションを投入するなどしてさらなる浸透を図る方針だ。
2006年創業のWrikeは、企業内におけるタスクやプロジェクトをワークフローベースで管理する社名と同名のワークマネジメントプラットフォームを展開してきた。140カ国でサービスを提供しており、オフィスは日本の東京を含めて6カ所に展開。現在の従業員は約900人となっている。また、Wrikeの導入社数は2万社以上、ユーザー数は200万以上で、最もユーザー数が多い企業では1社で21万5000人以上が利用しているという。
Wrike CEOのトーマス・スコット(Thomas Scott)氏は「現代の企業における業務は、デジタル化に合わせて多くのアプリケーションを利用しなければならず、部門もサイロ化されており、コロナ禍のリモートワークで導入が進んだ分散型チームの体制などもあり、障壁にあふれている。しかし、業務(ワーク)は組織内を自由に流れる(フロー)べきであり、Wrikeは組織全体をつなげて支援することができるソリューションだ」と語る。
AI技術の進化に合わせて、Wrikeも直近の約2年で「Work Intelligence」と呼ぶAI機能の導入を推進している。Work Intelligenceの新機能としては、AIコンテンツ生成、AIコンテンツ編集、AI要約などコンテンツ系の機能が追加されており、今後はテキスト指示でプロジェクトをタスクに細分化&構成するAI業務細分化の機能が加わる予定だ。
今回発表したDataHubは、タスクやプロジェクトという単位でのワークフロー管理を行うWrikeに、企業内の全ての業務データを統合することで、最新の正確な情報に基づいたより効率的なワークフロー管理を可能にするためのデータ管理機能である。企業の各部門はさまざまな分散データソースのサイロ内で業務を行っている。実際の業務遂行では、これらの分散データソースから手動で情報を転記することも多いが、リアルタイム性に欠けるためデータの不整合が発生した場合には業務の手戻りが発生してしまうなどの問題も多い。
従来のWrikeでは、ワークフローの管理単位であるタスクやプロジェクトに対して動的にデータや外部システムを連携させることはできなかった。DataHubは、CSVデータの読み込みとAPI連携によって、スプレッドシートや外部システムなどに存在する分散データソースをSSOT(Single Source of Truth:信頼できる唯一の情報源)としてWrikeに統合することができ、より適切で手戻りのないワークフロー管理を行えるようになる。
Wrikeの日本法人であるWrike Japanは2019年に設立された。それからコロナ禍を経て、出勤を中心とするハイブリッドワークへの移行が進む中で、業務プロセスの見える化や個人/チームのタスクの把握、スケジュール更新の効率化、業務情報の一元化、レポート作成の簡素化、申請/承認フローのデジタル化などの企業業務の課題解決に役立つことが評価され、導入数が拡大している。スコット氏は「Wrikeは日本市場にフィットするソリューションだと確信している。今回私が来たように、四半期に1回は米国本社から役員が来日して日本の顧客と関係構築を積極的に進めるようにしており、日本語のローカルコンテンツ開発や日本法人の採用を強化するなど投資も行っている」と述べる。
Wrike Japan カントリーマネージャーの泉谷浩成氏は「日本の顧客からは、サポートの充実、併用するコミュニケーションツールや管理ツールとの整合、再販チャネルの拡大といった要望をいただいており、これらにしっかり対応していきたい」と強調する。
なお、サポートの充実の施策として、製造業向けソリューションを展開する方針も示された。海外のシュナイダー・エレクトリックやシーメンス、国内でもソミックなど、Wrikeは製造業にも採用されている。「欧州の自動車メーカーとの協業によりPLMツールとの連携機能を開発しており、これを日本の顧客に合わせてローカライズして展開していきたい。医薬品関連でも、創薬から薬事申請、製品ローンチに至るまでを一貫してサポートするソリューションを開発している。これらの他、企画から設計、製造、製品の上梓に至るまでを支援するソリューションも用意しており、ぜひ日本市場にもローカライズして投入していきたい」(トーマス氏)としている。
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