シャッと出せてシュッと戻る「コンベックス」の仕組み100円均一でモノの仕組みを考える(3)(1/3 ページ)

本連載「100円均一でモノの仕組みを考える」では、実際に100円均一ショップで販売されている商品を分解、観察して、その仕組みや構造を理解し、製品開発の過程を考察します。連載第3回のお題は「コンベックス」(金属製巻き尺)です。

» 2024年07月30日 09時00分 公開

こんな人にオススメの記事です!

100円均一でモノの仕組みを考える
  • モノの仕組みや構造、分解に興味のある方
  • 設計スキルの向上を図りたい方
  • 自社製品の差別化/競争力アップを図りたい方

 本連載は、実際に100円均一ショップで販売されている商品を分解、観察して、その仕組みや構造を理解し、製品開発の過程を知ることを目的としています。前回は、さまざまなサイズやデザインがある「ツールボックス」の仕組みを取り上げました。

テーマ3:コンベックス

 連載第3回となる今回は「コンベックス」を題材に取り上げます(図1)。コンベックスは長さを測定するための道具で、主に建築やDIY作業などで広く使用されます。「巻き尺」や「メジャー」といった名称で呼ばれることもあり、比較的身近な道具です。誰しも一度は使ったことがあるのではないでしょうか?

今回のお題「コンベックス」のイメージ 図1 今回のお題「コンベックス」のイメージ[クリックで拡大] 出所:iStock/takasuu

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コンベックスの部品構成

 コンベックスは、主に以下のような部品で構成されています(図2)。

コンベックスを構成する主な要素 図2 コンベックスを構成する主な要素[クリックで拡大]

ケース

 コンベックスの本体部分で、内部に巻き尺が収納されています。多くの場合、プラスチックや金属製です。

巻き尺(テープ)

 柔軟な金属製、またはプラスチック製のテープで、表面には目盛りが印刷されています。長さを測る際に引き出します。

スプリング

 ケースの内部に配置されており、巻き尺を自動的に戻す役割を果たします。

フック

 巻き尺の先端に付いている金属製の小さな部品で、測定する物に引っ掛けて使用します。

ロック機構

 巻き尺を引き出した状態で固定するための機構です。

ストラップ、クリップ

 コンベックスを固定したり、保持したりするための部品です。

 なお、構成部品の一つであるスプリングは内部に組み込まれており、外から見つけることはできません。ということで、ケースを開いてみましょう(図3)。

コンベックスのケースを開いてみると…… 図3 コンベックスのケースを開いてみると……[クリックで拡大]
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