住友ゴム工業は、DUNLOP(ダンロップ)の製品として、ドライ、ウェット、氷上、雪上といった路面にシンクロする次世代オールシーズンタイヤ「SYNCHRO WEATHER(シンクロウェザー)」を2024年10月1日から発売する。
住友ゴム工業(住友ゴム)は2024年7月22日、東京都内で記者会見を開き、DUNLOP(ダンロップ)の製品として、ドライ、ウェット、氷上、雪上といった路面にシンクロする次世代オールシーズンタイヤ「SYNCHRO WEATHER(シンクロウェザー)」を同年10月1日から発売すると発表した。初期の発売サイズは40サイズで、順次22インチまで合計100サイズ以上に拡大する予定で、全サイズにメーカー希望小売価格を設定する。
同社は、2023年10月に路面状態に合わせてゴムが自ら性質を変化する新技術「アクティブトレッド」を発表した。SYNCHRO WEATHERは、アクティブトレッドの一部技術を搭載することで、サマータイヤとスタッドレスタイヤの性能を両立している他、路面に合わせてタイヤ自らが適した性能に変化することで、夏も冬も安心して使えるストレスフリーな新基準タイヤを実現している。なお、通常のタイヤは、天候や路面状態に合わせ専用設計したゴムを搭載しており、外部環境に合わせて履き替えることが一般的になっている。
同社 代表取締役社長の山本悟氏は「SYNCHRO WEATHERは、DUNLOPにおける既存のオールシーズンタイヤの後継品ではない。新たなシリーズとして展開する」と強調した。
SYNCHRO WEATHERに搭載されたアクティブトレッドの技術は「水スイッチ」と「温度スイッチ」だ。SYNCHRO WEATHERでは、ゴムの中に路面状態の変化に反応する「水スイッチ」と「温度スイッチ」を組み込むことでポリマーの動きをコントロールすることに成功している。
水スイッチでは、ゴム内におけるポリマー間の結合の一部を「共有結合」から水で脱着できる「イオン結合」に置き換えた。これにより、タイヤのゴムに水が触れて水スイッチが働くことで、ゴム表面が柔らかくなり、ウエット路面でグリップ性能が向上するようにしている。さらに、乾燥するとポリマー同士が再結合することでゴムの剛性が復活し、スタンダードサマータイヤ同等の性能に戻る。
この技術によって、SYNCHRO WEATHERのサマータイヤとしての性能は、DUNLOPのスタンダードスタッドレスタイヤ「WINTER MAXX 02」と比べて大幅に高まり、スタンダードサマータイヤ「ENASAVE EC204」と比べても同等以上の性能を実現した。
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