イーソルのスケーラブルリアルタイムOS「eMCOS POSIX」を中核とするソフトウェアプラットフォームが、デンソーの車両周辺監視システムに採用された。CPUの64ビット化やシステム全体の高性能化に対応する。
イーソルは2024年6月27日、同社のPOSIX準拠スケーラブルリアルタイムOS(RTOS)「eMCOS POSIX」を中核とするソフトウェアプラットフォームが、デンソーの車両周辺監視システムに採用されたと発表した。
デンソーの車両周辺監視システムは、車両周辺に搭載した4つの高精度カメラと高度な画像処理技術を組み合わせて、歩行者や動く物体、車線などを鮮明な映像で検出し、運転を支援する。
同システムの旧モデルには、イーソルのTRON T-KernelベースリアルタイムOS「eT-Kernel」が採用されていた。今回、新モデルのCPUの64ビット化やシステム全体の高性能化などに対応するため、eMCOS POSIXを採用した。
eMCOS POSIXは、独立、分散、軽量のマイクロカーネルを採用している。これにより、マルチコアやメニーコアのハードウェアにおいて、効率的なリアルタイム並列処理が可能になる。また、システムのハードリアルタイム対応や負荷分散されたソフトリアルタイム対応、分散処理されたアプリケーション同士の無干渉(FFI)性能を最大限に発揮できる。
eMCOS POSIXの採用により、POSIX APIを活用した高度な画像認識アルゴリズムが実装できるほか、限られたハードウェアリソースの中でマイクロ秒オーダーのリアルタイム処理が可能になる。
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