Arm TrustZone活用の仮想レイヤーにPOSIX仕様準拠のRTOSが対応組み込み開発ニュース

イーソルは、同社のPOSIX仕様準拠スケーラブルRTOS「eMCOS POSIX」が、Virtual Open Systemsの仮想レイヤー「VOSySmonitor」に対応したと発表した。RTOSと汎用OSの併用が可能で、複数のセキュリティ要件が求められるシステムへ安全性を提供する。

» 2019年03月12日 08時00分 公開
[MONOist]

 イーソルは2019年2月21日、同社のPOSIX仕様準拠スケーラブルリアルタイムOS(RTOS)「eMCOS POSIX」が、Virtual Open Systemsの仮想レイヤー「VOSySmonitor」に対応したと発表した。RTOSと汎用OSの併用が可能で、1つのシステムで複数のセキュリティ要件が求められるシステムに対し、安全性と信頼性を提供する。

 VOSySmonitorは、Armの「Cortex-Aシリーズ」に搭載のセキュリティ技術「Arm TrustZone」を活用し、メモリやペリフェラルなどのリソースをハードウェアレベルでノーマルワールドとセキュアワールドに分離する。自動車向け機能安全規格ISO26262 ASIL Dに対応している。

photo 仮想レイヤー「VOSySmonitor」へのRTOS「eMCOS POSIX」適用イメージ(クリックで拡大) 出典:イーソル

 eMCOS POSIXは、POSIX 1003.13 PSE 53に準拠し、マルチプロセス/マルチスレッド、ローダブルプロセス、共有ライブラリに対応。分散型マイクロカーネルアーキテクチャを採用し、ヘテロジニアスなハードウェア構成をサポートする。特許技術の「セミプライオリティベーススケジューリング」により、リアルタイム性を保証しながら、CPUのスループットを最大限に引き出せる。

 eMCOS POSIXがVOSySmonitorに対応することで、RTOSの空き時間にLinuxなどの汎用OSが実行可能になるため、CPU時間を効率的に活用できる。優先度は汎用OSよりも高く、汎用OSからの干渉を防止する。

 自動車など次世代モビリティ機器やエネルギー・電力プラットフォーム、IoT(モノのインターネット)エッジデバイス、産業機器をはじめとしたミックスドクリティカルシステムでの利用を見込む。

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