これらの数々の機能を検証し、新たな開発を行うための検証施設として静岡事業所内に用意しているのが「霧ヶ峰みらい研究所」だ。霧ヶ峰みらい研究所は、降雪を含めさまざまな住環境を再現し、人の感じる温度を可視化する高精度サーマルマネキンなどを活用することで、エアコンの機能に対し人が実際にどう感じるかを検証するための施設だ。「ムーブアイ」や「エコモアイ」などもこれらの施設での検証を通じて開発された。
施設には、温度や湿度、風速などのセンサーを数多く設置しており、温度分布は2592点、湿度分布は16点、風速分布は300点の測定点を用意できる。住宅内のセンサーは吊り下げられたひもに設置されており、温度状態などを3次元で捉えることができる。さらに、人体の発熱や皮膚表面温度、熱損失量などの測定により人感温度を可視化できるサーマルマネキンを用意。全身を22部位に分割して制御を行うことができ、それぞれの部位で発熱や測定ができるため、より精緻に人が感じる温度環境や快適性などを確認できるようにしている。
外気温は−40〜54℃、湿度は40〜90%まで自由に変化させることができ、寒冷地から熱帯での環境などを再現しながらエアコンの性能などを検証できる。さらに、降雪設備なども用意しており、室外機が降雪に覆われた際の暖房の効果などについても検証を行える。
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