三菱電機がセイノーHDに物流子会社の株式を譲渡、持ち株比率3分の1超は維持製造マネジメントニュース

セイノーホールディングス(セイノーHD)と三菱電機は、三菱電機の物流子会社である三菱電機ロジスティクスの普通株式の一部をセイノーHDが取得するための株式譲渡契約書を締結したと発表した。譲渡するのは議決権割合66.6%分で、譲渡金額は572億7600万円。

» 2024年06月19日 07時00分 公開
[MONOist]

 セイノーホールディングス(セイノーHD)と三菱電機は2024年6月18日、三菱電機の物流子会社である三菱電機ロジスティクスの普通株式の一部をセイノーHDが取得するための株式譲渡契約書を締結したと発表した。譲渡するのは議決権割合66.6%分で、譲渡金額は572億7600万円。株式譲渡は、関係当局の承認を前提に同年10月1日をめどに実施する予定だ。

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 1958年に菱電運輸として設立された三菱電機ロジスティクスは、1998年に現在の社名に変更した。三菱電機グループのインハウスの物流子会社として事業を展開しており、大型機器/設備などの特殊輸送、半導体や精密機械の輸送に関するノウハウなどに強みを持つ。2023年度(2024年3月期)の業績は、売上高が前年度比22%減の1062億8200万円、営業利益が同44%減の30億7500万円。子会社を含めたグループの総従業員数は2811人(2024年3月11日時点)。

 今回の株式譲渡契約により、三菱電機ロジスティクスの議決権ベースの株式所有割合は、三菱電機の100%から、セイノーHD66.6%、三菱電機33.4%となる。三菱電機ロジスティクスがセイノーHDの子会社に異動する一方で、三菱電機は重要事項の特別決議を拒否できる持ち株比率3分の1超を確保する。株式譲渡契約書と併せて、三菱電機ロジスティクスの事業運営などに関わる株主間の取り決めを定めた株主間契約書も締結しており、同社が三菱電機グループの物流機能を引き続き担うことになるとみられる。

 セイノーHDは、三菱電機ロジスティクスを傘下に収めることで、同社が得意とするエレクトロニクス領域における物流事業の対応力を強化できる。三菱電機は、三菱電機ロジスティクスがセイノーHDの有する国内/海外の輸送インフラとネットワーク、情報システム/デジタルプラットフォームなどを活用することにより、調達から販売までの物流をさらに効率化でき、顧客に向けたより安定的な供給網の確立につなげられる。そして、三菱電機ロジスティクスは、セイノーHDが有する国内外の顧客基盤を活用し、三菱電機グループ外へのサービス提供を拡大することにより、企業価値向上を図れるとしている。

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