AI活用の空調機器制御で契約電力低減を目指す日立GLSのIoTサービス製造業IoT

日立グローバルライフソリューションズは「FOOMA JAPAN 2024」において、同社の空調IoTソリューション「exiida」などを訴求した。

» 2024年06月14日 08時15分 公開
[長沢正博MONOist]

 日立グローバルライフソリューションズ(以下、日立GLS)は「FOOMA JAPAN 2024」(2024年6月4〜7日、東京ビッグサイト)において、同社の空調IoT(モノのインターネット)ソリューション「exiida(エクシーダ)」などを訴求した。

日立GLSの空調IoTソリューション「exiida」をブース内で訴求[クリックで拡大]

 exiidaは日立GLSの空調IoTソリューションの総称であり、複数のサービスで構成されている。その中で、「exiida遠隔監視・予兆診断」は冷凍、空調機器をインターネット上の日立GLSのクラウドサーバへ接続し、AI(人工知能)技術を活用して稼働状態の監視と計画的な運用/保守管理のサポートを実現するサービスだ。

 2022年8月に施行されたフロン排出抑制法の改正により、業務用冷凍、空調機器を対象とした「業務用冷凍空調機器の常時監視によるフロン類の漏えい検知システムガイドライン(JRA GL-17)」に対応した常時監視システムとして提供されている。

 2024年6月からは、日立ビル用マルチエアコンの室外ユニット側面に取り付けられる「exiida遠隔監視通信ユニット(側面設置タイプ)」を販売している。

 従来機種の機内設置タイプの通信ユニットは、取り付け時にビル用マルチエアコン本体の外側カバーや内部部品を取り外すなど多くの工程があったが、側面設置タイプの通信ユニットは室外ユニットの側面に簡単に取り付けることができる。

「exiida遠隔監視通信ユニット(側面設置タイプ)」搭載イメージ[クリックで拡大]

 2024年4月から提供を開始した「exiida遠隔監視・デマンド制御ソリューション」は、室温など空調機器の稼働情報や気象情報などを基に、AIが常時消費電力を予測して目標デマンド値を超えないように空調機器を制御することで、施設の電気料金削減に貢献するサービスだ。側面設置タイプの通信ユニットを取り付けることで利用が可能となる。

 高圧電力の契約が500kW未満の場合、電気代の基本料金計算に使用される契約電力は直近1年間の最大デマンド値(最大需要電力)が適用される。同サービスでは、ピークとなる最大デマンド値を下げることで、契約電力を抑えて電気料金の削減を図る。

 従来のデマンド制御では、個別のコントロールができないため快適性が損なわれることがあったが、exiidaでは室内ユニットを個別にコントロールすることで空調を止めずに空調電力を抑制する。

「exiida遠隔監視・デマンド制御ソリューション」の概要[クリックで拡大]

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