次に、海外向けのデジタルマーケティングで使用できる代表的な手法を4つ紹介する。
Webマーケティングとは、自社のWebサイトを活用するマーケティング活動を指す。特にB2B商材において、サプライヤーのWebサイトは購買の意思決定に影響を与える重要な情報源であるため、その重要性は高い。
海外向けのWebマーケティングで知っておくべき点を以下にまとめる。
SNSを活用するマーケティングは、近年、B2B商材の分野でも重要性が高まっている。複数の調査会社の資料によると、海外(特に北米)のB2Bバイヤーが購買プロセスで使用するSNSとして、以下のようなものが挙げられている。
特に注目すべきSNSは、ビジネス用途のSNSとして世界で最も認知されているLinkedInだ。最大の特徴は、ほとんどのユーザーがアカウントに会社名(学校名)や役職を登録している点である。
また国や地域によっては、中国のWeChatやWeiboなどのように、独自のSNSが活用されているケースもある。全体の傾向と合わせて、ターゲット地域のユーザーが使用するSNSを事前に調査し、適切な媒体を選定することが、マーケティングの成否を分ける重要なポイントになる。
コンテンツマーケティングとは、自社で制作したコンテンツ(メディアを通して伝えられる情報)を活用し、顧客と中長期的な関係性を構築するためのマーケティング手法である。
デジタルマーケティングでは、主に以下のようなコンテンツが活用されている。
さまざまな種類のコンテンツの中から、顧客の購買プロセスにおいて情報収集源として活用されているものを中心に制作し、WebサイトやSNSで発信することで、効果を発揮する。
自社の見込み客のリストに対してメールを配信し、関係の強化を図る方法がメールマーケティングだ。メール配信の活用は、B2B商材のマーケティングにおいて、以前から変わらず重要な手法である。その主な目的は以下の通り。
B2Bの購買プロセスにおいてデジタル媒体の重要性は高まっており、海外での事業展開においても、デジタルマーケティングは欠かせない手法であるといえる。今回紹介した内容が、海外向けデジタルマーケティングの理解を促進し、従来の営業活動に加わる海外事業展開の選択肢の1つとして検討されることを期待する。
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稲垣達也(いながき たつや)
テクノポート株式会社 海外Webマーケティング サービス責任者
名古屋工業大学大学院(電気機械工学専攻)を卒業後、新卒でテクノポート株式会社に入社。同社にて、国内B2B企業の海外事業展開(海外販路開拓)を支援する「海外向けWebマーケティング」サービスの責任者として、国内の中小企業から大手企業まで幅広い業種のクライアントを担当。
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