デンカは、約70億円を投資して、低誘電有機絶縁材料「スネクトン」の製造プラントを建設する。スネクトンは伝送損失を抑えるため、高速通信機器の銅張積層板や層間絶縁材向けの素材として期待されている。
デンカは2024年5月21日、約70億円を投資して、低誘電有機絶縁材料「スネクトン」の製造プラントを建設すると発表した。建設場所は、同社千葉工場(千葉県市原市)で、2026年度の完成を予定している。
スネクトンは、Beyond5Gや6Gなど次世代高速通信での伝送損失を減少させるために必要な電気特性(低誘電率、低誘電正接)を有し、これまで用いられていたエポキシ樹脂ベースのCCLが抱えていた伝送損失の課題を解決する。そのため、さまざまな高速通信機器の銅張積層板(CCL)や層間絶縁材向けの素材として顧客からの評価も高く、今後の需要伸長が見込まれている。
軟質樹脂にもかかわらず、架橋性(耐熱性)を備え、完全に硬化した後も軟質性を維持するため、フレキシブル銅被覆板(FCCL)にも展開可能だ。PCやスマートフォン、データセンター、携帯電話基地局、ウェアラブル端末、自動車など広範な分野で活用できる。
同社は、2023〜2030年度の経営計画「Mission 2030」にて、「ICT&Energy」分野に800億円の戦略投資を計画している。スネクトン製造プラント建設は、同投資枠の中でも中核の1つに位置付けられている。
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