e-Mobility Powerと東光高岳は次世代の超急速充電器の共同開発に合意した。
e-Mobility Powerと東光高岳は2024年5月23日、次世代の超急速充電器の共同開発に合意したと発表した。1口の最大出力は350kWで、合計2口の総出力は400kW(最大電流400A×最大電圧1000V)を予定している。CHAdeMO規格での最大350kW/1口の急速充電器の開発は「世界初」(東光高岳)だという。
2024年秋までにプロトタイプを公表し、2025年3月にはCHAdeMO認証を取得、2025年秋の設置開始を目指す。
東光高岳は、2024年3月時点で5000基の急速充電器を日本国内で販売した実績を持つ。次世代の超急速充電器の開発に当たっては、EV(電気自動車)やPHEV(プラグインハイブリッド車)のユーザーの声を踏まえて(1)より早く充電できる、(2)誰でも楽に操作ができる、(3)分かりやすくフレキシブルなサービスとタイムリーな情報提供、(4)視認性が高くスタイリッシュなデザイン、の4点を重視する。
より早い充電に関しては、1口の最大出力を350kWとするなど、車両性能の進化を見据えた充電スペックとする。EVの充電器に関わる保安要件の解釈を明確化する動きを見据えて1000V仕様とし、高電圧バッテリーを搭載した車両や電動船舶への超急速充電を実現する。
これまで、電気主任技術者が不要な一般用電気工作物における直流電路の対地電圧の上限は450V以下と規定されていたが、経済産業省の「EV充電器に係る保安要件の解釈の明確化」の動きにより、電気主任技術者が必要な自家用電気工作物における直流電路の対地電圧の上限が1500V以下となる見通しだ。
誰でも楽に操作できるよう、現行製品と比べて充電コネクターを30%軽量化する他、10%細く、20%軽量化したケーブルを採用する。ケーブルマネジメントシステムにより充電コネクターケーブルを片手で操作でき、ケーブルが地面に接することなく収納できる。
プラグ&チャージを視野に入れたセンサーも搭載した。時間課金と従量課金の併用に対応しており、充電終了後の放置車両に対するペナルティー課金にも対応した。再生可能エネルギーの有効活用を促進するダイナミックプライシングの導入も視野に入れている。無線ネットワークによるアップデート(OTA:Over-The-Air)にも対応し、設置者が容易に最新のソフトウェアを利用できるようにした。トラブルへの対応や改修コストの削減、セキュリティのアップデートなどをOTAで提供する。
日本政府は2023年10月に「充電インフラ整備促進に向けた指針」を策定。2030年までに、公共用の急速充電器3万口を含め、風電インフラ30万口の整備を目指す。
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