ヘルスケア事業の2024年度の売上高は血圧計市場の成長やグローバルでのシェア拡大により、前年度比7.5%増の1610億円、営業利益は同19.2%増の220億円を計画する。社会システム事業は市場拡大が続く再生可能エネルギー領域において、蓄電システムの営業強化を継続することで売上高は9.1%増の1545億円、営業利益は21.3%増の170億円を見込む。電子部品事業の売上高は3.8%減の1100億円、営業利益は27.1%増の40億円を目指す。
2024年2月に発表した構造改革プログラム「NEXT 2025」の進捗についても発表した。これは、制御機器事業の停滞などを受けて2025年3月期までとしていた中期経営計画(SF 1st Stage)の目標を取り下げ、2024年4月1日〜2025年9月30日までを「構造改革期間」として取り組むものだ。
「2025年度までに300億円の固定費効率化を完遂することで、グループの収益におけるベースラインを大きく引き上げる。その上で、今後の成長をけん引する事業や経営、事業活動の基盤となる新たなERPシステムへの投資を実行する」(辻永氏)
2025年度までは、経営施策による収益基盤の強化を進め、営業利益を700億円程度まで回復させる。その後、制御機器事業の再成長を中心とした売上成長による収益拡大を進め、26年度に900億円程度の利益水準を目指す。
「特に、制御機器事業の取り組みは、その効果が26年度以降に本格的に表出する。また、市場拡大が見込まれるヘルスケア、社会システム、データソリューション事業においても、成長投資の効果が表出し、より高い売上成長を見込むことができる」(辻永氏)
「2024年度は制御機器事業、電子部品事業については下期における需要の回復レベルが不透明なため、慎重に売上計画を設定した。これでよしとするわけではなく、事業環境が変化する中で生じる機会はどん欲に捉え、トップラインの引き上げにチャレンジしていく。オムロンが見据えているのは持続的な成長、そして、市場変化にも揺るがない強い企業へ変貌を遂げることだ。2024年度は、新たな成長ベクトルを強固にするための1年であり、再成長への道のり、具体的なプランも固まりつつある。全社が一丸となり、実行力を発揮することで、着実に取り組みを前進させていく」(辻永氏)
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