ソニーネットワークコミュニケーションズは、「第13回 IoTソリューション展【春】」において、ソニーグループ独自開発のLPWAネットワーク技術「ELTRES」向けの通信モジュール「CXM1501AGR」を紹介した。
ソニーネットワークコミュニケーションズは、「第33回 Japan IT Week【春】」(2024年4月24〜26日、東京ビッグサイト)内の「第13回 IoTソリューション展【春】」において、ソニーグループ独自開発のLPWA(省電力広域)ネットワーク技術「ELTRES」向けの通信モジュール「CXM1501AGR」を紹介した。
ELTRESは、ISM帯域である周波数923.6M〜928MHzを用いるアンライセンス系のLPWAネットワーク技術である。空中線電力が20mWの特定小電力(サブGHz)無線でありながら、見通し100km以上の通信距離、時速100km以上の高速移動中でも通信可能という特徴を持つ。また、送信機と受信機間でGNSSの時刻情報を同期することによる高精度な通信も実現できる。2018年10月から国内向けのサービスを開始したELTRESはパートナープログラムの参加企業を拡大しており、近年はその特徴を生かして衛星に無線基地局を搭載しての活用なども目指している。
CXM1501AGRは、2019年5月に発表したELTRES向け通信モジュール「CXM1501GR」を基に、顧客やパートナーからの要望に応じて幾つかの機能を追加している。外形寸法は16×16×2mmで、CPU、LPWAトランスミッター、GNSS受信機、電源管理用のPMICなどの回路ブロックで構成される点に変更はない。新たに追加したのは、モジュール内蔵の10ビットADコンバーターへの入力インタフェースと、消費電力をより低減することが可能な自律ディープスリープ機能の2つだ。
ELTRES向け通信モジュールの開発を担当するソニーセミコンダクターソリューションズの説明員は「第1弾のCXM1501GRでは、センサーデータの収集や制御は別途外付けするホストマイコンで行うことを想定していた。一方、CXM1501AGRでは、センサーからのアナログデータを直接取り込んでADコンバーターでデジタルデータに変換し、通信モジュール制御用マイコンで処理できるようになった。これにより、LPWA送信とGNSS受信のためのアンテナと電源さえあればELTRESのシステムを構築できるようになった」と述べている。
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