従来比30倍の電力効率を達成したオンデバイスAI向けSoCを発表人工知能ニュース

Ambiqは、「Apollo5」SoCファミリーの新製品「Apollo510」を発表した。Arm Cortex-M55をベースとする新製品は、前世代品の「Apollo4」と比較して電力効率が30倍、高速性能が10倍向上している。

» 2024年04月10日 14時00分 公開
[MONOist]

 Ambiq(アンビック)は2024年3月27日、「Apollo5」SoCファミリーの新製品「Apollo510」を発表した。現在、サンプル出荷を開始しており、2024年第4四半期(10〜12月)から一般販売する。

 Arm Cortex-M55をベースとするApollo510は、前世代品の「Apollo4」と比較して電力効率が30倍、高速性能が10倍向上している。複雑なグラフィックスや音声アプリケーション、常時接続の音声やセンサー処理と同時に、AI(人工知能)やML(機械学習)関連の処理を実行できる。

キャプション 電力効率と高速性能の比較[クリックで拡大] 出所:Ambiq

 Apollo510に搭載したArm Helium技術は、1サイクル当たり最大8個のMACをサポートし、半精度、全精度、倍精度の浮動小数点演算を実行できる。メモリ容量も前世代品から増えており、4MBのオンチップ不揮発性メモリと3.75MBのオンチップSRAMを備える。

 また、多数の高帯域幅インタフェースにより、個別に最大500MB/sのピークスループットと300MB/s以上の持続スループットを達成。大規模なニューラルネットワークモデルやグラフィックス用途に適する。

 さらに、ベクターグラフィックスアクセラレーションを搭載する2.5D GPUにより、Apollo4 Plusファミリーと比較して全体の処理性能が3.5倍向上するため、鮮やかで滑らかなグラフィックスを表現できる。

 セキュリティ面も強化された。Apollo510には同社のsecureSPOTプラットフォームを基盤として、Arm TrustZoneテクノロジーやPUF(物理的複製不可能機能)、不正使用防止OTP、セキュアな周辺回路が採用されている。これにより、設計者は安全で堅牢なアプリケーションを開発できる。

⇒その他の「人工知能ニュース」の記事はこちら

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.