人手不足が深刻な物流を自社の武器へ、アパレル企業が導入した高効率自動倉庫物流のスマート化(2/2 ページ)

» 2024年04月09日 08時00分 公開
[長沢正博MONOist]
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物流をボトルネックにしない、天井高を最大限に生かすロボットを導入

アッカ・インターナショナルの秀氏[クリックで拡大]

 パルのEC物流業務の多くを受託するアッカ・インターナショナル 代表取締役社長の秀洋一氏は「EC市場の急速な拡大によって、従来の保管方法や手作業では、成長のボトルネックになってしまうリスクがあった。収容力と生産力の拡大を意図して、新たな物流センターを計画し、DPL平塚の高い天井高に目を付け、その長所を最大限に活用できるロボットの導入を検討した結果、Skypodシステムを選択した」と話す。

 Exotecの子会社Exotec Nihon アジアパシフィック地域 取締役社長 立脇竜氏は「SkypodシステムはECが発達してきてから設計されたシステムで、いかにEC、マルチチャンネルやオムニチャンネルに対応できるかをポイントにしている。他の自動倉庫システムとは設計思想が異なる」と語る。

注文を受けてステーションに続々と到着するSkypod[クリックで拡大]
Exotec Nihonの立脇竜氏[クリックで拡大]

 PAL CLOSETで受けた注文はアッカ・インターナショナルの在庫連携システム、倉庫管理ステムを経てSkypodシステムに伝わる。指示を受けたSkypodは2分以内に商品をステーションに運んでくる。「われわれのミドルウェアを使ってユーザーのシステムに合わせてカスタマイズしている。今回も倉庫管理システムや在庫連携システムとシームレスにつながり、柔軟な倉庫運用ができるようになっている」(立脇氏)。

 PRSCで保管する商品の約60%がSkypodシステムに収納される。たためない商品などは従来通り保管されている。収納効率を高めるためロボットが両側2列のビンにアクセスするダブルディープ方式を採用している。

 トラックドライバーらの残業時間に上限規制が課される物流の2024年問題では、トラックの長い荷待ち時間が問題視されている。生産年齢人口自体も年々減少していく。「倉庫業務をどれだけ効率化するかが2024年問題の大きな要素となる。「運ぶだけではなく、さばく人もますます減っている。物流としてはチャレンジングな状況になっているが、そこを乗り越えれば物流が企業の強みに変わる。Skypodシステムも物流をどうやって自社の強みにするかを考えている企業に導入していただいている」(立脇氏)。

左からアッカ・インターナショナルの秀氏、大和ハウス工業の村上氏、パルの堀田氏、Exotec Nihonの立脇氏[クリックで拡大]

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