ExtraBoldは「プラスチックリサイクル体験型ショールーム『EX2(ExtraBold Experience)』」の正式オープンに先立ち、報道陣向けプレオープンイベントを開催した。正式オープンは2024年4月6日で、一般参加者を対象としたイベントが実施される。
ExtraBoldは2024年4月3日、同社本社内に開設した「プラスチックリサイクル体験型ショールーム『EX2(ExtraBold Experience)』」の正式オープンに先立ち、報道陣向けプレオープンイベントを開催した。正式オープンは同年4月6日で、一般参加者を対象としたイベントが実施される。
今後、同ショールームを、マテリアルアップサイクルを体験できるカフェ、サステナブル材料を活用した3Dプリント製品の展示販売、同社が手掛ける大型3D付加製造機「EXF-12」などの展示販売や3Dプリントサービス、3Dデジタルモノづくりの技術を磨けるコミュニティー「BOLD GYM」の活動の場として利用してく考えだ。
プレオープンイベントでは、デザインラボ「HONOKA」が手掛ける“廃棄された畳のイ草と生分解性樹脂”を用いてEXF-12で造形した3Dプリント家具シリーズ「Tatami ReFab Project」の作品などが多数展示されていた。HONOKAは有志のプロダクトデザイナーで構成されたデザインラボで、同プロジェクトはBOLD GYMの一部メンバーによる自主活動の一環からスタートしたもの。2023年のミラノサローネで最も優秀な展示を選ぶ「サローネサテリテ・アワード」のグランプリを獲得したことでも話題となった。
同社は、EX2の最初の取り組みとして、社内で発生した廃棄予定の端材や造形の失敗品を粉砕して、再度ペレット化し、2023年11月に発表したロボットアーム式3Dプリンタ「REX-Series BUTLER fabrication」(以下、REX-BUTLER)で記念品などを造形できるプラスチックリサイクル体験ツアーを展開する。正式オープン後のツアー参加は事前予約制で、平日1日1組程度の受け入れを想定しているという。
REX-BUTLERはタイでの先行販売を開始しており、発表当時は日本での販売は未定となっていたが、「既に多くの引き合いがあり、2024年夏ごろをめどに日本での受注も開始する予定だ。EX2に来ていただければ、販売開始前のREX-BUTLERにいち早く触れることができる」と、ExtraBoldの創業者でCEOの原雄司氏は日本での販売時期について明かした。
現在、同社はプラスチックのリサイクルやアップサイクルをもっと身近なものにしたいという思いから「Green Creative」というコンセプトを掲げており、大量生産以外の製造法の選択肢を増やすこと、マテリアルリサイクルを身近にすること、モノづくりの楽しさを次世代に伝えることの3つのミッションを達成するための有効手段の1つとして、アディティブマニュファクチャリング技術を位置付け、クリエイティブの力との融合によって環境課題の解決に寄与していきたい考えだ。
2021年秋に発表した、独自開発プリントヘッドとファナック製の制御装置を搭載した工業用グレードのEXF-12は、1700×1300×1000mmの大型造形、最大吐出量1時間当たり15kgの高速造形が特長で、汎用(はんよう)およびリサイクルペレット材の使用が可能だ。現在、量産機仕様のVer 2.0を販売している。EXF-12は既に自動車のコンセプトモデルやインテリア、家具、建材などの製造に活用されてきた実績があり、幅広い業界で広く活用され始めているという。今回オープンするEX2にもEXF-12の実機を設置する予定とのことだ。ちなみに、BOLD GYMの活動の中では、廃棄プラスチックや食品の残渣などを利用したバイオマスプラスチックを自分たちで作り、EXF-12によってさまざまな創作物などを生み出しているという。
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