富士経済はEVやPHEV向けの充電インフラ市場の調査結果を発表した。
富士経済は2024年3月22日、EV(電気自動車)やPHEV(プラグインハイブリッド車)向けの充電インフラ市場の調査結果を発表した。数量ベースでは中国が市場をけん引。日本も補助金効果で堅調だとしている。
国別に調査を行った。日本は2023年時点の充電器は補助金効果で急速充電、普通充電ともに過去最高の出荷台数となった。公共の充電ステーションとしては、出力90kWのタイプが高速道路のサービスエリアやパーキングエリア、コンビニエンスストアなどで設置が急増した。また、出力50kWのタイプは幹線道路沿いやガソリンスタンドでの設置が増えた。普通充電は、宿泊施設や遊戯施設、レジャー施設などで設置が進んでいるという。
2023年10月に経済産業省が「充電インフラ整備促進に向けた指針」を発表し、充電器の設置目標を引き上げた。次世代自動車振興センターの助成プログラムでは、急速充電器の設置に対して機器購入費用の50%の補助金が支給される。
中国では経済成長の鈍化が懸念されるものの、社会インフラとしての充電ステーションは拡大ペースで進んだという。特別市や省が設けた助成金制度も導入の追い風となった。設置場所は幹線道路が中心だが、他国よりもオフィスや公的施設での設置が多い。EVの販売ペースは鈍化しつつあるが、累計のEV普及台数に対応するため充電インフラは突出した規模であり続けるとしている。
中国はコネクターによる充電だけでなく、ワイヤレス給電の普及も世界をリードしているという。中国メーカーが注力していることもあり、今後も順調な伸びが予想されるという。バッテリー交換システムは、2023年時点で累計6400カ所に展開されている。
米国では、2023年のEV/PHEVの販売がテスラを中心に堅調だった他、各州の充電インフラ整備計画が本格稼働したことで充電器の設置が大幅に進んだ。商業施設や幹線道路を中心に、充電ステーションの新規開設が増えている。中長期的には、北米充電規格(North American Charging Standard、NACS)やCCS(Combined Charging System)の成長が見込まれる。
ワイヤレス給電は2025年以降に米国での本格的な普及が期待されるという。バッテリー交換システムは、AmpleとUberなどが連携して西海岸エリアで実証事業を展開している。
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