3Dプリントシューズや新コンセプトPCなど多数披露、日本HPが事業戦略説明会でメカ設計ニュース(2/2 ページ)

» 2024年01月22日 06時30分 公開
[八木沢篤MONOist]
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2024年は飛躍の年、PC領域は「AI PC元年」に

 事業戦略説明会に登壇した日本HP 代表取締役 社長執行役員の岡戸伸樹氏は「2023年の成長を受けて、2024年は飛躍の年にする」と意気込む。そして、それを推進する柱として「革新的な製品とサービス」「信頼のサプライチェーン」「サステナビリティの強化」の3つを挙げる。

日本HP 代表取締役 社長執行役員の岡戸伸樹氏 日本HP 代表取締役 社長執行役員の岡戸伸樹氏[クリックで拡大]

 特に、革新的な製品とサービスの対象に含まれるPCの領域では「2024年は“AI PC元年”になる」(岡戸氏)とし、AIとの融合によりPCは“パーソナルコンピュータ”から“パーソナルコンパニオン”に進化し、伴走者となって人間を支援するようになるという。さらに、岡戸氏は「クラウドベースでのAI活用では、レイテンシ(遅延時間)やコスト、セキュリティの問題が指摘されることがあるが、AI PCの出現によって、エッジ側で多くの処理が行えるようになる。その結果、クラウド経由よりも約5倍処理が高速化され、コストも最大で80%ほど削減できる可能性がある」と強調する。

2024年は「AI PC元年」になると予測する 2024年は「AI PC元年」になると予測する[クリックで拡大] 出所:日本HP

 同じく、革新的な製品とサービスの説明の中で、3Dプリンティングソリューションについても言及。岡戸氏は「国内自動車メーカーに3Dプリント製品が採用された国内初の事例」として、「HP Jet Fusionシリーズ」を用いてSOLIZEが製造した3Dプリント部品が、トヨタ自動車の「LEXUS LC500」の純正オプション部品に採用されたことを紹介。さらに、最終製品の製造に適用可能な3Dプリンティングソリューション「HP Jet Fusion 5600シリーズ」と、海外の成功事例を基に3Dプリンタによる最終製品の製造ノウハウなどを提供する「プロフェッショナルサービス」の拡充についてもアピールした。

 信頼のサプライチェーンに関しては、約30種類のデスクトップPC、ノートPC、ワークステーションを受注生産し、数十万通りにもなるカスタマイズ製品を5営業日で納品できる「東京生産(Made in TOKYO)」の強みをあらためて訴求する。東京生産を支える生産拠点、日本HP 東京ファクトリー&ロジスティックスパークは日野市にあり、「2024年7月で東京生産開始から25周年を迎える」(岡戸氏)という。

デジタルデータを活用した柔軟な供給体制を構築する デジタルデータを活用した柔軟な供給体制を構築する[クリックで拡大] 出所:日本HP

 サステナビリティの強化では、日本独自の取り組みとして、PCの再利用を促進し、持続可能な循環型経済へ貢献するための法人向けサービス「PCリユースプログラム」を紹介(サービス開始は2023年6月)。HPの法人向けPCに買い替えた際に、現在組織の中で使用しているPCを日本HPが定額で買い取り、データ消去および修理/再生後にリユースするという取り組みだ。

 さらに、製品の梱包(こんぽう)などに使用してきた発泡スチロールの使用を廃止し、リサイクル可能なパルプモールドと段ボールによる梱包へとシフトする他、工場内移動や配送に用いるパレット(荷役台)も紙製のものに変更。紙製梱包テープの活用も検証している最中だとする。

製品の梱包時などに使用していた緩衝材をリサイクル可能なパルプモールドと段ボールに変更 製品の梱包時などに使用していた緩衝材をリサイクル可能なパルプモールドと段ボールに変更[クリックで拡大] 出所:日本HP

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