日本HP、高性能GPUを最大4基搭載できる最新Xeon採用ワークステーションなど発表メカ設計ニュース(1/2 ページ)

日本HPは、東京都内で「プロフェッショナルのハイブリッドワークを支援する新製品発表会」を開催し、高性能ワークステーション製品の新ラインアップを発表した。

» 2023年04月19日 09時00分 公開
[八木沢篤MONOist]

 日本HPは2023年4月18日、東京都内で「プロフェッショナルのハイブリッドワークを支援する新製品発表会」を開催し、高性能ワークステーション製品の新ラインアップを発表した。

 同社 パーソナルシステムズ事業本部 クライアントビジネス本部 バリュービジネス部 部長の大橋秀樹氏は、製造業や建築/建設業の設計開発部門でもコロナ禍を経てハイブリッドな働き方や環境へとシフトしつつあることに触れ、今求められているワークステーションの要件として、

  1. ワークステーションのモバイル化
  2. ワークステーションの集約(データセンターに集約)
  3. データセンターへの設置を前提とした機能と性能
  4. サステナビリティ

の4つを挙げる。

ハイブリッドワーク時代にワークステーションに求められること ハイブリッドワーク時代にワークステーションに求められること[クリックで拡大] 出所:日本HP
日本HP パーソナルシステムズ事業本部 クライアントビジネス本部 バリュービジネス部 部長の大橋秀樹氏 日本HP パーソナルシステムズ事業本部 クライアントビジネス本部 バリュービジネス部 部長の大橋秀樹氏

 デスクトップワークステーションの利用からモバイルワークステーションへの移行が進む建築/建設業に対して、「製造業の設計部門はデスクトップワークステーションの利用比率が非常に高い状況にある。だが、コロナ禍で設計者のワークスタイルも変化しつつあり、データセンター(以下、DC)にハイエンドなワークステーションを集約し、ノートPCなどのシンクライアント端末からDCにリモートアクセスして設計業務をこなすというハイブリッドな働き方に対応できる環境を整備する動きが生まれている」(大橋氏)という。

 以上のような近年のワークステーションに対するニーズに応えるべく、同社が新たに市場投入するのが、デスクトップワークステーションのZシリーズ「HP Z8 Fury G5」「HP Z8 G5」「HP Z6 G5」「HP Z4 G5」「HP Z2 Tower G9」「HP Z2 SFF G9」「HP Z2 Mini G9」と、モバイルワークステーションのZBookシリーズ「HP ZBook Fury G10(16インチ)」「HP ZBook Studio G10(16インチ)」「HP ZBook Power G10(15.6インチ)」「HP ZBook Firefly G10(14インチ/16インチ)」である。

 併せて、企業のIT部門が離れた場所からでもワークステーション(今回発表のZシリーズ製品)を安全に管理できる機能を備えた「HP Anyware Remote System Controller」を投入し、企業におけるハイブリッドワークの推進を支援する。

設計者のハイブリッドワークを支える最新デスクトップワークステーション

 デスクトップワークステーションのZシリーズの新製品でハイエンドモデルに位置するZ8 Fury G5、Z8 G5、Z6 G5、Z4 G5は、CPUにインテルの第4世代Xeonプロセッサ(コードネーム:Sapphire Rapids)を搭載し、エントリー向けのZ2 Tower G9、Z2 SFF G9、Z2 Mini G9は、CPUにインテルの第13世代Coreプロセッサ(コードネーム:Raptor Lake)を採用する。

新しいG5ワークステーションのポートフォリオについて 新しいG5ワークステーションのポートフォリオについて[クリックで拡大] 出所:日本HP

 「このうち、今回目玉となるのがG5ワークステーション製品だ。その中でもさらに“目玉中の目玉”となるのがZ8 Fury G5である。同じハイエンドモデルのZ8 G5はG4シリーズからの正統進化版といえるが、Z8 Fury G5はそのさらに上を行くワークステーション製品だ」(同社 パーソナルシステムズ事業本部 クライアントビジネス本部 バリュービジネス部 プロダクトマネージャーの柄津佑輔氏)。ちなみに、G5ワークステーション製品を主な用途別で見てみると、Z4 G5とZ6 G5が3D CAD/CG/BIM/AI(人工知能)/画像処理向け、Z8 G5がCAE/映像編集/医療画像処理向け、Z8 Fury G5がAI/データサイエンス/レンダリング処理向けだという。

Z8 Fury G5の製品概要について Z8 Fury G5の製品概要について[クリックで拡大] 出所:日本HP
日本HP パーソナルシステムズ事業本部 クライアントビジネス本部 バリュービジネス部 プロダクトマネージャーの柄津佑輔氏 日本HP パーソナルシステムズ事業本部 クライアントビジネス本部 バリュービジネス部 プロダクトマネージャーの柄津佑輔氏

 Z8 G5が従来のデュアルソケット対応製品で、2CPU(最大32コア×2基)構成に、ハイエンドGPUを最大2基、最大1TBメモリを搭載するのに対して、Z8 Fury G5はスーパーシングルソケット対応製品となり、CPUに第4世代「Xeon W-3400」プロセッサ(最大56コア)を1基搭載する(メモリは最大2TB搭載可能)。「Z8 Fury G5は1つのCPUで最大56コアと、2CPU構成のZ8 G5と同等のコア数を誇る。また、CPUが1つになったことで内部レイアウトにも余裕ができ、NVIDIAの最新グラフィックス『RTX 6000 Ada』を最大4つまで搭載可能となった」(柄津氏)。

スーパーシングルソケット対応で1CPU構成のZ8 Fury G5(左)とデュアルソケット対応で2CPU構成のZ8 G5(右)。Z8 Fury G5はNVIDIAの「RTX 6000 Ada」を最大4基搭載できる スーパーシングルソケット対応で1CPU構成のZ8 Fury G5(左)とデュアルソケット対応で2CPU構成のZ8 G5(右)。Z8 Fury G5はNVIDIAの「RTX 6000 Ada」を最大4基搭載できる[クリックで拡大]
Z8 Fury G5はホットスワップ対応の大容量電源ユニット(1125W×2基)を備える Z8 Fury G5はホットスワップ対応の大容量電源ユニット(1125W×2基)を備える[クリックで拡大]

 さらに、Z8 Fury G5はホットスワップ(電源を投入したままでの脱着)に対応する大容量電源ユニット(1125W×2基)を備える。これを1125W×2の電源ユニットとして冗長構成で稼働させたり、ハイエンド構成向けに連結して2250W×1として利用したりできる。また、静音性や信頼性も追求。ヒートプレートの内部に冷却用の液体(作動液)を封入し、気化熱を使用して効率良く冷却する「HPプレミアムクーラー」を採用する他、冷却ゾーンごとにファンを配置して20個以上もの温度センサーの情報を基にファンの回転数などをコントロールしつつ静粛性を維持しているという。

 Z8 Fury G5の販売開始は2023年5月下旬予定で、販売価格(税込み)は85万2500円〜となる。

複数のワークステーションを一元的に監視/管理するソリューションも提供

 併せて、企業のIT部門の管理者が離れた場所からでも複数のワークステーションの稼働状態や動作を把握し、一元的に管理できるソリューションとして、Anyware Remote System Controllerの提供も開始する。

外付け型と内蔵型の2つのタイプを用意するAnyware Remote System Controller 外付け型(左)と内蔵型(右)の2つのタイプを用意するAnyware Remote System Controller[クリックで拡大]

 具体的には、カーネルベースの仮想マシンを起動し、プリブートアクセス、BIOSアップデート、OSインストールなどの管理タスクの実行や、ダッシュボードによる監視/管理が行える。なお、Anyware Remote System Controllerには内蔵型と外付け型の2つのタイプが用意されており、今回発表したデスクトップワークステーションのZシリーズの新製品で使用できる(外付け型はPCIスロットがないモデル向け[Z2 Mini G9])。

Anyware Remote System Controllerの概要について Anyware Remote System Controllerの概要について[クリックで拡大] 出所:日本HP
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