JEITAは「注目分野に関する動向調査 2023」として、生成AI関連の需要額見通しも発表した。
生成AIの世界需要額は、2023年時点では約106億ドル(約1兆5114億円)だが、2030年には約2110億ドル(約30兆833億円)と約20倍に拡大すると予測する。国内需要額も2023年の約1188億円から、2030年には約1兆7774億円と約15倍に拡大する見込みだ。小島氏は「汎用的なものではなく、専門分野に特化した生成AIがどんどん活用されることで適用範囲の広がりとともに市場が拡大していく」と説明した。
製造領域での生成AI需要も広がるとみられる。2030年には世界需要額が約507億ドル(約7兆2326億円)、国内需要額は約3932億円に達すると予想する。さらに生成AIの影響を受けるハードウェアの内、PCやスマートフォン、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)、ドローン、サーバなど11品目については、世界需要額は年平均約4.7%増で2030年に約1兆1058億ドル(約157兆7578億円)に、国内需要額は同3.7%増で約5兆8864億円に成長する見通しだ。データセンターのニーズ拡大が需要額全体を底上げするとみられる。
生成AIの社会実装は今後一層進展すると予想されるが、一方で懸念されるのが偽情報の拡散などのリスクだ。これに対応したJEITAの行動として、小島氏は「JEITAは『テクノロジーの進化と社会との調和に貢献』を目標に掲げており、AIの社会実装に際して取り組むべき事項をまとめた提言『SDGs・Society 5.0実現のための人工知能の社会実装に向けて』を2023年12月に改訂し、AIの有用性や特徴、リスク、倫理的原則の正しい理解を促進するべきであることを明記した。JEITAの会員企業による、提言に沿った『行動宣言』や実践事例も公開している」と説明した。
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