電子情報技術産業協会は2023年版の「電子情報産業の世界生産見通し」に関する発表会を開催した。2024年の世界生産額は過去最高値を更新すると予測する。
電子情報技術産業協会(JEITA)は2023年12月21日、2023年版の「電子情報産業の世界生産見通し」に関する発表会を開催した。2024年の世界生産額は過去最高値を更新するとみられる。また、生成AI(人工知能)市場の世界需要額は、2030年に2023年比で約20倍と急激に成長すると予測した。
※【訂正】記事の初出時にタイトルと本文の一部に、「生成AI市場の世界需要額が2024年に2023年比で約20倍に成長する」という趣旨の記載がありましたが、「2030年に2023年比で約20倍」の誤りです。お詫びして訂正いたします。
電子情報産業の世界生産見通しはJEITAが2007年から会員企業を対象に実施している調査レポートで、同産業の生産規模や日系企業の立ち位置の把握を目的としている。
JEITAは2023年の電子情報産業の世界生産額について、前年比約3%減となる約3兆3826億ドル(約481兆9342億円)を見込む。ソリューションサービスの市場規模は拡大したものの、エネルギーや原材料価格の高騰、地政学リスクの高まりなどが足かせとなった。
一方で、2024年の電子情報産業の世界生産額は、前年比9%増の約3兆6900億ドル(約526兆3065億円)を見込む。JEITA 会長を務める日立製作所 代表執行役 執行役社長 兼 CEOの小島啓二氏は「さまざまなリスクが残っているものの、世界各国でインフレが沈静化しつつある。さらにDX(デジタルトランスフォーメーション)で社会や企業を変革する動きも進んでおり、電子機器や電子デバイスの市況は回復し、ソリューションサービスはさらに拡大、さらに半導体は過去最高の生産額を更新するとみている」と説明した。
日系企業による2023年の生産額は、前年比1%減の約39兆7000億円になる見通しだ。円安傾向によって電子機器の価格競争力が高まり、データ活用の高度化ニーズからソリューションサービスの生産額が増加するなどプラス要因はあったが、電子部品や電子デバイスが振るわず、全体としてはマイナス成長となった。2024年の生産額は前年比約5%増の約41兆6000億円になると予想する。デジタル化投資の加速によってソリューションサービスが伸長し、電子部品や電子デバイスの生産も回復すると見込む。
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