筆者 カーボンモノコックはいつから始めたの?
澤田さん 2023年で3年目なのですが、はじめは作り方も分からなくて担当するパーツのメンバーには本当に苦労を掛けちゃいました。チーム全体の日程計画もコロナの影響もあり大きく遅れたこともありました。
筆者 四輪インホイールの制御は相当難しいのではないですか? ステアリングの舵角、スロットルの踏み具合などなど多くのパラメータを瞬時に計算して最適化するプログラムが必要で、考えただけで気が遠くなるもの。
澤田さん はい、車両が完成してもまだまだそこからで、制御プログラムの作り込みには相当時間がかかりました。
筆者 そうですよね。EVはその要素が成績に大きくかかわってきますよね。2022年の優勝チーム京都工芸繊維大学は内燃機関(ICV)での参戦、それも2022年からは排気量700ccの2気筒エンジンを搭載してきています。明日はそことの争いが楽しみですね。
澤田さん はい、もちろんエンデュランスだけでなく他の審査でもしっかり点数を積み重ねることが大切で、2023年はデザインファイナルにも選出されました。
筆者 デザインファイナル進出! 素晴らしいですね! 期待しています!
名古屋大学フォーミュラチームの総合成績はエンデュランス(20周の耐久走行)でドライバー交代時にオイル漏れが発生、10周しかできなかったことが響き15位となりましたが、EV部門では1位の成績を収めました。またデザインファイナルでは1位、それ以外にも下記の多くの賞をゲット、その実力を見せつけました。おめでとうございます!
2024年の大会で総合優勝を果たし、「勝つためのEV」を実証することを期待せずにはいられませんね。
続いて訪れたのは筆者がもう10年ほどささやかながらスポンサーとして名を連ねている静岡理工科大学のピットです。チームリーダーの今場(こんば)さんにお話をお聞きしました。
筆者 E1(前回大会でのEV部門優勝)というゼッケンを背負って、今日までの審査の結果はどうですか?
今場さん 動的審査においては少しトラブルが発生しまして、タイム的には満足できるものではありませんでした。
筆者 明日のエンデュランスに向けてその辺りはどう対策するのですか? 午前中に何度かピットをのぞいたのですが、皆さんがわき目もふらずに整備しているのでなかなか声が掛けづらかったです(苦笑)
今場さん 電気系のトラブルなので、明日のエンデュランスは安全マージンを見てドライバーにはフルパワー走行を避けるよう指示して、完走を最優先に置きます。
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