今後の量産スケジュールについてはIntel 3は既に製造準備が完了しており、2024年前半投入予定の開発コード名「Sierra Forest」の「Xeon プロセッサー(以下、Xeon)」に適用される。Sierra Forestは高効率コアである「Eコア」だけで構成される製品であり、鈴木氏の言う「一部前倒し」はSierra Forestのことだ。2024年前半に製造準備が整うIntel 20Aでは、「Power VIA」や「RibbonFET」などの新技術を全面的に採用するなど大きな変更になる。さらに、Intel 18Aは2024年後半に製造準備が整い、次世代PCクライアント向け製品である開発コード名「Panther Lake」や、次世代Xeonの開発コード名「Clearwater Forrest」に用いられる。2024年に集中しているイメージは強いが、このスケジュールによって「4年で5つのプロセスノード」を実現する構えだ。
また鈴木氏は、ゲルシンガー氏が言及する「シリコノミー(Siliconomy)」という言葉も取り上げた。「半導体の影響力はさまざまな分野で増大しており、シリコンなくしてエコノミー(経済)は成り立たない状況になっている。このシリコノミーという言葉は、半導体業界をリードしてきたインテルが自らの責任を明確化する言葉でもある」(鈴木氏)という。このシリコノミーの状況下では、まず2025年までに半導体需要の20%をAI関連チップがけん引し、中長期的な成長では自動車、コンピューティング&ストレージ、無線の3業種が全体の70%を占めるようになるという見方を示した。
このシリコノミーにおける「インテルの責任」を日本国内向けに反映しているのが、STEAM(科学、技術、工学、芸術、数学)教育を中心としたデジタル人材育成の取り組みである。2024年からは、政府が2023年補正予算補正予算に盛り込んだ1000の高校を対象とする「DXハイスクール」でパートナーとともに協力することになっている。鈴木氏は「これからのデジタル人材育成に向けた取り組みを、点から線、線から面へ広げていきたい」としている。
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