インテルは、2023年12月14日に米国本社が発表した新製品「Core Ultra」と「第5世代 Xeon SP」を紹介するとともに、2024年以降に予定している製造プロセスの立ち上げ時期や製品展開の方針などについて説明した。
インテルは2023年12月18日、東京都内で会見を開き、同月14日に米国本社が発表した新製品「インテル Core Ultra プロセッサー(以下、Core Ultra)」と「第5世代 インテル Xeon スケーラブル・プロセッサー(以下、第5世代 Xeon SP)」を紹介するとともに、2024年以降に予定している製造プロセスの立ち上げ時期や製品展開の方針などについて説明した。
Core Ultraはこれまで開発コード名で「Meteor Lake」と呼ばれており、2021年7月に同社が再定義したプロセスノードのうちIntel 4を初めて採用したノートPC向けの製品となる。新たなパッケージング技術「Foveros」を導入するとともに、内蔵GPUも従来の「Iris」からディスクリートGPUと同じ「Arc」に刷新し、AI(人工知能)推論処理に最適な専用のNPU(Neural Processing Unit)も搭載する。これまでのPCクライアント向け製品をけん引してきた「Core」ブランドではなく、新たなブランド名となるCore Ultraを冠する点からも、製品立ち上げとして相当な力の入れ方となっている。
一方、開発コード名「Emerald Rapids」の第5世代 Xeon SPは、開発コード名「Sapphire Rapids」の「第4世代 Xeon SP」と同じプロセスノードIntel 7で製造されるものの、プロセッサコア数の増加と容量が3倍になったL3キャッシュによって消費電力当たりの性能が1.34倍になるなど大幅なパフォーマンス向上を実現している。ピン互換の確保で基板側に変更を加えることなく容易に置き換えできる点も大きな特徴だ。
Core Ultraと第5世代 Xeon SPの発表に加えて、2024年内の投入に向け開発が進められている生成AIをはじめとする大規模AIモデルの処理に特化したAIアクセラレータ「Gaudi 3」についても言及があった。2019年の「Gaudi」は16nmプロセス、2022年の「Gaudi 2」は7nmプロセスで製造されているが、Gaudi 3は5nmプロセスを採用する。BF(bfloat)16による演算性能はGaudi 2の4倍で、ネットワークやメモリインタフェースであるHBMの帯域幅も強化される。
インテル日本法人 代表取締役社長の鈴木国正氏は、会見でIntel 4で製造したシリコンウエハーや、Core Ultra、第5世代 Xeon SPの実物を手に取って紹介し「2021年にCEOに就任したパット・ゲルシンガー(Pat Gelsinger)のマネジメントとなってから『グローバル・サプライチェーンの強靭化』『ムーアの法則の継続』『AI Everywhere』の3分野にフォーカスしており、日本市場を含めて成果が出つつある。特に、Intel 7からIntel 4、Intel3、Intel 20A、Intel 18Aまでに5つのプロセスノードを4年間で実現するという目標は、2021年に打ち出した時には疑問を投げかけられることもあったが、今や一部前倒しで進むなど実現のめどは立っており、今回のCore Ultraや第5世代 Xeon SPの紹介にもつながっている」と強調する。
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