FPGA評価ボードに十字キーを付けてみた【前編】注目デバイスで組み込み開発をアップグレード(18)(2/3 ページ)

» 2023年10月25日 07時00分 公開
[今岡通博MONOist]

作ろうとしているもの

 まず、今回作りたいものの概要を見ておきましょう。

 図2の左下にあるのが十字キーで、今回の主役です。これについては後ほど説明します。右側にあるのがAボタンとBボタンで、タクトスイッチを直接ブレッドボードに挿して使っています。FPGA評価ボードは「Tang Nano 9K」に登場してもらいました。、バイナリコード入門の連載記事と同様に、8×8のLEDドットマトリクスもマウントしてあります。

図2 図2 ブレッドボードにFPGA評価ボードであるTang Nano 9Kと十字キー、A/Bボタンを装着した状態[クリックで拡大]

十字キーの製作

 Aボタン、Bボタンとは異なり、十字キーはタクトスイッチをブレッドボードに挿すだけでは実現が難しいので基板を製作することにしました。この製作にははんだ付けが伴いますのでハードルが高いかもしれませんが頑張ってみてください。

 まず、ユニバーサルボードは8×6のスルーホールが使えるサイズにカットしてください。次の図3は、カットしたユニバーサルボードにタクトスイッチを装填(そうてん)して裏から見た状態です。

図3 図3 十字キーの裏面の配線図

 各タクトスイッチのピンはそのタクトスイッチのキートップの色で表示しています。上下方向の赤のタクトスイッチは赤い枠で、左右方向のタクトスイッチは青と緑の枠で表示しています。図3の上側に4つのリード線を出しており、それぞれTang Nano 9Kのピンに接続するようブレッドボードに挿し込みます。その際、ボードに対して適切に垂直に折り曲げてください。図3の下側に出している2本のGNDのリード線も同様に折り曲げてブレッドボードに挿し込みます。

 次の図4は十字キーのはんだ面の写真です。

図4 図4 十字キーのはんだ面

 このユニバーサルボードは片面の紙フェノールの基板を使っています。このため、はんだ付けしたリード線をブレッドボードに刺さるように折り曲げるときにランドが剥げてしまうことがあります。例えば、ガラスエポキシの両面のユニバーサルボードを使えばこの問題は解決できますが、筆者は基板カット用にグラインダーを改造して使っているため、部屋の中をガラス系の粉じんが舞いかねないため使用しませんでした。なお、グラインダーを基板カット用に改造する話はまたの機会に紹介できればと思います。

カットはグラインダーを基板カット用に改造して使っています。そのためガラス系の粉じんが部屋を舞うので控えました。グラインダーを基板カット用に改造する話はまたの機会に紹介できればと思います。

 ということで、図4の基板もリード線の折り曲げに失敗して何カ所かランドが剥げたところもあるのですが、ブレッドボードに挿してしまえばそこそこ使えているので今回の記事はこれを基に書いています。

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