オムロンの綾部工場ではさまざまな自動化の取り組みが進んでいる。
オムロンは2023年6月29日、制御機器事業の綾部工場(京都府綾部市)における自動化の取り組みなどを公開した。
オムロンの制御機器事業では、国内の綾部工場、草津工場(滋賀県草津市)の他、米国、オランダ、中国、インドネシアに生産拠点を置いている。かつては国内の製造拠点がマザーファクトリーとなって、ノウハウを各国に展開してモノづくりを進化させる役割を担っていたが、今は各拠点の特徴、強みを生かして互いにシナジーを発揮するように取り組みが進んでいる。
「The GEMBA(Global Empowered Manufacturing By Automation)」として、自動化によって生産現場に活気をもたらす活動を推進。ユーザーの生産現場の課題に対してソリューションを提供するだけではなく、それらを自社の現場にも展開することで生産性を高め、製品とソリューションの品質を高めていく。
綾部工場は1986年に操業を開始した。当初は限られた種類の製品を全自動で生産していたが、ニーズの変遷に伴ってセル生産を導入。現在、指先大の光電センサーから大型のX線CT検査装置まで14カテゴリー、1万5200種の製品を、多いものでは年間数百万台、少ないものでは年間数十台製造している。
センサーに搭載する基板は、工場内のクリーンルームで実装からパッケージングまでを行っている。制御機器事業でクリーンルームを保有しているのは綾部工場だけとなっており、綾部工場のクリーンルームで組み立て後に他拠点に送られる部品もあるという。ロボットなどの製品の組み立ては基本的に1個流しで行っている。
綾部工場ではAMR(自律型搬送ロボット)の生産も行われている。オムロンは2015年に、米国に拠点を置いていたロボット会社のAdeptを買収してロボット事業を本格強化。現在、綾部工場では最大積載重量が60kg、90kg、250kgのモデルのAMRを生産している。
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