軽トラクラスの大型ドローンを志向するIHIに対して、eVTOLとも呼ばれる空飛ぶクルマの開発を目指しているのがHIEN Aero Technologiesだ。今回の展示では、eVTOLに向けた研究開発機体となるUAV(無人飛行航空機)「HIEN Dr-One」のコンセプト機体を披露した。
HIEN Dr-Oneの外形寸法は全長3200×全幅5000×全高900mmで、最大離陸重量は100kg。独自開発の10kW出力のガスタービンハイブリッドユニット「DRAGON」を双発で搭載しており、ペイロードは25kg、飛行距離は180km以上だ。「できれば2023年度内に飛行試験を行いたい」(HIEN Aero Technologiesの説明員)。
ただし、HIEN Dr-Oneはあくまで研究開発機体であり、本命となるのが2人乗りeVTOLである「HIEN 2」の開発だ。ペイロード150kg、飛行距離300km以上となっており、2025年開催の大阪・関西万博でのデモ飛行が目標となっている。最終的な開発目標は6人乗りeVTOL「HIEN 6」で、2030年の市場投入を想定している。
前回の「Japan Drone 2022」で大型ドローン向けの超小型ガスタービン発電機を披露したエアディベロップジャパン(ADJ)も、さらに出力を高めた製品を展示した。
前回展示したガスタービン発電機は重量30kgに対して出力30kWで、重量当たり出力は1kW/kgを達成していた。今回展示した製品は重量40kgに対して出力40kWで、重量当たり出力は1kW/kgを維持し、スケーラブルに出力を向上できることを示した。
ガスタービンと発電機を直結/内蔵したレイアウトにより、この高い重量当たり出力を実現している。「250kW出力までの小型領域であれば、ニーズに合わせて出力を高めた製品を開発できる。前回、出力30kWの製品を展示したところ、さらに高い出力を求める声があったので40kW出力のものを開発した。大型ドローンや空飛ぶクルマなどの用途でぜひ検討してもらえれば」(ADJの説明員)としている。
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