空飛ぶ軽トラは可搬重量1トンで飛行距離1000km、ガスタービン発電機で実現Japan Drone 2023(2/2 ページ)

» 2023年06月28日 06時30分 公開
[朴尚洙MONOist]
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空飛ぶクルマがガスタービン発電機を搭載、重量40kg/出力40kWの製品も

 軽トラクラスの大型ドローンを志向するIHIに対して、eVTOLとも呼ばれる空飛ぶクルマの開発を目指しているのがHIEN Aero Technologiesだ。今回の展示では、eVTOLに向けた研究開発機体となるUAV(無人飛行航空機)「HIEN Dr-One」のコンセプト機体を披露した。

HIEN Aero Technologiesの「HIEN Dr-One」のコンセプト機体 HIEN Aero Technologiesの「HIEN Dr-One」のコンセプト機体[クリックで拡大]

 HIEN Dr-Oneの外形寸法は全長3200×全幅5000×全高900mmで、最大離陸重量は100kg。独自開発の10kW出力のガスタービンハイブリッドユニット「DRAGON」を双発で搭載しており、ペイロードは25kg、飛行距離は180km以上だ。「できれば2023年度内に飛行試験を行いたい」(HIEN Aero Technologiesの説明員)。

 ただし、HIEN Dr-Oneはあくまで研究開発機体であり、本命となるのが2人乗りeVTOLである「HIEN 2」の開発だ。ペイロード150kg、飛行距離300km以上となっており、2025年開催の大阪・関西万博でのデモ飛行が目標となっている。最終的な開発目標は6人乗りeVTOL「HIEN 6」で、2030年の市場投入を想定している。

 前回の「Japan Drone 2022」で大型ドローン向けの超小型ガスタービン発電機を披露したエアディベロップジャパン(ADJ)も、さらに出力を高めた製品を展示した。

 前回展示したガスタービン発電機は重量30kgに対して出力30kWで、重量当たり出力は1kW/kgを達成していた。今回展示した製品は重量40kgに対して出力40kWで、重量当たり出力は1kW/kgを維持し、スケーラブルに出力を向上できることを示した。

ADJの重量40kg/出力40kWのガスタービン発電機 ADJの重量40kg/出力40kWのガスタービン発電機[クリックで拡大]

 ガスタービンと発電機を直結/内蔵したレイアウトにより、この高い重量当たり出力を実現している。「250kW出力までの小型領域であれば、ニーズに合わせて出力を高めた製品を開発できる。前回、出力30kWの製品を展示したところ、さらに高い出力を求める声があったので40kW出力のものを開発した。大型ドローンや空飛ぶクルマなどの用途でぜひ検討してもらえれば」(ADJの説明員)としている。

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