4Gから6Gまでを1台でカバーする、周波数帯域3400MHzのGaN増幅器組み込み開発ニュース

三菱電機は、1台の増幅器で周波数帯域3400MHzをカバーするGaN増幅器を開発し、4GからBeyond 5G、6Gに至るまで、周波数が異なる各通信世代での動作実証に成功した。基地局の無線部共用化と、低消費電力化に貢献する。

» 2023年06月16日 14時00分 公開
[MONOist]

 三菱電機は2023年6月8日、1台の増幅器で周波数帯域3400MHzをカバーする、GaN増幅器を開発したと発表した。これを使用し、4G、5G、Beyond 5G、6Gと周波数が異なる各通信世代での動作実証に成功した。

 同社は、周波数に応じて増幅器の動作モードを切り替え可能な独自の周波数補償回路を増幅器に適用。周波数帯域を同社従来比6倍となる3400MHzまで拡大したことで、無線部の共用化が可能となる。

キャプション 増幅器を用いた基地局のイメージ[クリックで拡大] 出所:三菱電機

 増幅器には、高い電力効率を有する高性能GaNデバイスを採用している。周波数帯域3400MHzにおいて、Beyond 5Gと6Gで要求される水準を上回る、増幅器動作時の最高電力効率62%を達成。これまで複数必要だった増幅器を1台にまとめることで、基地局の低消費電力化に寄与する。

キャプション 増幅器を用いた基地局のイメージ[クリックで拡大] 出所:三菱電機

 従来の基地局では、周波数帯域ごとに増幅器が開発され、通信世代ごとに異なる無線部が設置されている。2030年以降には、Beyond 5Gと6Gを加えた新たな通信世代への移行が見込まれ、無線部の共用化が求められている。また、5Gを上回る通信速度での多数同時接続に向け、多くの電力が電波制御に使用されることから、増幅器には消費電力の低減が求められている。

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