新しいアセプティック製造ラインの特長の1つが、固形物(パルプ状)と液を事前のタンクで混合するなどの工程により、従来のアセプティック製造ラインでは作ることが難しかった製品の製造が可能となった点だ。
また、通常は1つのタンクで調合した液を殺菌してから充填するが、新しいラインではコーヒー飲料ならコーヒー抽出液と乳製品を別々に殺菌してから調合することで、「より素材の持ち味や風味を生かすことができる」(コカ・コーラボトラーズジャパン SCM本部 製造統括部 多摩・海老名工場統括部 海老名工場 製造部 部長の増田亮氏)という。同社でも初めての試みとなっている。
充填が終わった製品には製品名が入ったラベルを付ける。海老名工場の新しいラインでは2台のラベラーをシンクロさせながら1つのラインに対応している。
先述したように新しいラインの生産能力は900BPMとなっており、「現時点で、精密な精度が求められるラベラーのような機械が1台で900BPMに対するのは難しい。そのため、450BPMに対応する2台の機械に分けて、最後に合流させている」(コカ・コーラボトラーズジャパン SCM本部 製造統括部 多摩・海老名工場統括部 工場統括部長 海老名工場 工場長の鳩貝敦之氏)。
ラベラーから出てきたボトルには蒸気の熱を当ててラベルを収縮させ、ボトルにラベルをフィットさせる。その後、キャップに賞味期限などを印字し、段ボールケーサーで段ボールに入れられる。
今後の事業展開に向けて鳩貝氏は「商品の開発は日本コカ・コーラを中心に進めているが、他社も含めてコロナ禍で新製品の開発、導入が抑えられてきた。今後、コロナ禍後になり、人の流れが返ってくると新製品の開発、導入が加速するのではないかと見ている。それに応じた生産、ラインの体制をしっかりと整えていきたい」と意気込む。
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