島津製作所は、農業・食品産業技術総合研究機構と共同で、食品、飲料メーカーの製品開発や研究を支援する「NARO島津テスティングラボ」を開設した。食品、飲料メーカーの研究者はラボに設置された最新の分析機器を研究に利用できる。
島津製作所は2023年3月22日、農業・食品産業技術総合研究機構(NARO)と共同で、食品、飲料メーカーの製品開発や研究を支援する「NARO島津テスティングラボ」を開設したと発表した。
両者は、2019年から食品の機能性成分に関する共同研究を実施している。これまで機能性成分の科学的エビデンスの蓄積などを目的とした「食品機能性解析共同研究ラボ」(NARO島津ラボ)を開設し、茶葉中のカテキン類を分析する方法を開発するなどの成果を上げてきた。
両者はこの成果を活用し、京都市の島津製作所開発棟「ヘルスケアR&Dセンター」にNARO島津テスティングラボを開設。健康に役立つ食品や飲料の研究開発などを支援する。
食品、飲料メーカーの研究員は、企業ごとに1カ月単位で同ラボに入居し、ラボの最新の分析計測機器を研究に利用できる。分析機器として、機能性成分の探索や含有量を測定する高速液体クロマトグラフ質量分析計「LCMS-8060NX」「LCMS-9050」や、香り成分を評価するガスクロマトグラフ質量分析計「GCMS-TQ8040NX」などを用意している。
また入居企業は、機器だけにとどまらず、島津製作所とNAROから分析計画の策定や実施に関するサポートも受けられる。今後、カゴメやはくばく、森永乳業などが順次入居し、研究開発に取り組む。
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