イメージセンサーへの設備投資計画については、2021〜2023年度の3年間累計で約9000億円の投資はほぼ固まっているが、2024〜2026年度もほぼ同額の投資を検討している。清水氏は「ただし足元の不安定な市況を踏まえると今後の需要動向を正確に見極めるのは非常に難しい。今後の設備投資計画は慎重に精査していく必要がある」と強調する。
ただし、2024〜2026年度の設備投資を臨機応変に行えるように、熊本県菊陽町にあるソニーセミコンダクタマニュファクチャリングの熊本テクノロジーセンターと、台湾TSMC子会社でソニーセミコンダクタソリューションズが出資するJASM(Japan Advanced Semiconductor Manufacturing)と隣接する熊本県合志市に27万m2の土地を取得する計画を進めている。
コロナ禍における半導体不足ではロジックウエハーの調達に苦心することもあったが、現時点で需給ギャップは解消している。中長期の観点では、2024年末にJASMが稼働を開始することでロジックウエハーの調達に悩むことはなさそうだ。
イメージセンサー全体での金額シェア目標としては2025年度時点で60%から変更はしていない。ただし、2022年度は当初予測の49%から上積みして51%となっており、2023年度は54%になる見通しだ。2021年度の44%から2022年度に7ポイント増の51%になったこともあり、2025年度の60%という目標数値もかなり現実的なものになってきた。
ただし、2024〜2026年度の3年間で約9000億円クラスの大型投資を継続することもあり、2025年度に目指していたROIC(投下資本利益率)20〜25%という目標は達成が数年遅れになる。「市況が不透明で設備投資計画が流動的な中、いつ目標達成できるかを見極めるのは難しい状況だ。2024〜2026年度の中期経営計画が始まる段階で、他目標数値も含めてアップデートしたい」(清水氏)としている。
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