アナログ・デバイセズは、「人とくるまのテクノロジー展2023」において、同社の車載半導体の有効性を示す特別展示のデモカー「ADIフューチャー・インキャビン」を披露した。
アナログ・デバイセズは、「人とくるまのテクノロジー展 2023 横浜」(2023年5月24〜26日、パシフィコ横浜)において、同社の車載半導体の有効性を示す特別展示のデモカー「ADIフューチャー・インキャビン」を披露した。
ADIフューチャー・インキャビンには、高速画像データインタフェース「GMSL(ギガビットマルチメディアシリアルリンク)」を用いてカメラ映像を遅延なく表示する電子ミラーや、車載イーサネット伝送「E2B」、車載オーディオ伝送バス「A2B」などが組み込まれている。デジタルミラーはGMSLのユーザーであるアルプスアルパイン製だ。
GMSLは、カーナビゲーションシステムのヘッドユニットと車載ディスプレイをつなぐ用途で用いられてきたSerDes(シリアライザ/デシリアライザ)ソリューションで、近年では導入が拡大している電子ミラーにも採用されている。今回のADIフューチャー・インキャビンなどの展示では帯域幅6Gbpsの第2世代品が用いられている。量産車への採用が進む第2世代品ともに、帯域幅12Gbpsの第3世代品の量産も始まっている。さらに2倍の帯域幅となる24Gbpsの第4世代品も開発中だ。「海外だけでなく日本国内での採用も広がっており、2024年以降は競合ベンダーを上回る勢いになるだろう。日本国内で浸透が進み始めた理由としては、当社のテクニカルサポート力への高い評価が背景にある」(アナログ・デバイセズの説明員)という。
また、第6世代品に進化した車載バッテリー監視IC「ADBMS6830」のデモも披露した。車載バッテリー監視ICでは、電圧や電流、電力、インピーダンスなどをより正確に計測することが求められる。ADBMS6830は、出力電圧3.3Vの電池セルに対して電圧の測定誤差は±1.8mVに抑えられている。また、IC内に内蔵しているフィルターによる耐ノイズ性の高さも大きな特徴となっている。デモでは、車載バッテリーを模擬した電気二重層キャパシターモジュールにノイズを印加した状態でも、正確に電圧を計測できることを示した。「この第6世代品では、アナログ・デバイセズが買収したリニアテクノロジーとマキシム、両社の車載バッテリー監視ICの技術を融合した」(同説明員)としている。
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