2022年度に自動車アセスメントで評価を行った全13車種の中で、トヨタ自動車の「ヴォクシー/ノア」が最高得点で「ファイブスター大賞」を獲得した。
国土交通省と自動車事故対策機構(NASVA)は2023年5月23日、2022年度に自動車アセスメントで評価を行った全13車種の中で、トヨタ自動車の「ヴォクシー/ノア」が最高得点で「ファイブスター大賞」を獲得したと発表した。
衝突安全性能と予防安全性能が最高ランクで、緊急通報システムを搭載している車両が獲得できる「ファイブスター賞」はヴォクシー/ノアを含む7車種が獲得した。
ヴォクシー/ノアは、衝突安全が100点満点中87.44点、予防安全が91点満点、事故自動緊急通報装置が8点満点で、合計186.44点を獲得した(199点満点、得点率93%)。ファイブスター賞の6車種も合計の得点率は90〜93%で、高い評価を得た。
メーカー | モデル | 総合評価 | 衝突安全 | 予防安全 | 緊急通報 |
---|---|---|---|---|---|
トヨタ | ヴォクシー/ノア | 186.44 | 87.44 | 91.00 | 8 |
トヨタ/スバル | bZ4X/ソルテラ | 186.16 | 87.29 | 90.87 | 8 |
トヨタ | シエンタ | 185.33 | 86.33 | 91.00 | 8 |
日産 | サクラ | 184.92 | 88.31 | 88.62 | 8 |
ホンダ | ステップワゴン | 183.92 | 88.26 | 87.66 | 8 |
三菱自 | eKクロスEV | 182.04 | 88.31 | 85.74 | 8 |
トヨタ | カローラクロス | 179.68 | 86.62 | 84.86 | 8 |
※満点は総合評価199点、衝突安全100点、予防安全91点、事故自動緊急通報装置8点 |
自動車アセスメントは、市販車を対象にした衝突安全性能と予防安全性能の比較試験で、自動車事故対策機構が実施している。販売台数が多い車両を中心に評価対象を選定し、市販車を購入して評価を行う(予防安全性能評価に自動車メーカーが車両を提供する場合もある)。ユーザーが安全なクルマを選びやすくするとともに、より安全な自動車の開発を促進する狙いがある。自動車メーカーから依頼を受けた評価も行う。
2022年度は対自転車の衝突被害軽減ブレーキが評価項目に加わった。2023年度は、ペダル踏み間違い時加速抑制装置性能試験に、歩行者との衝突事故を模擬した試験シナリオを追加する。また、バックモニターなど後退時車両直後確認装置の基準化(UN-R158導入)を受けて、後方視界情報提供装置性能評価を廃止する。
2024年度からは、対向車を模擬したムービングバリアを使用した前面衝突試験を新たに導入する他、衝突被害軽減ブレーキの評価において、対向車との右直事故を模擬したシナリオや、右左折時の横断歩行者との事故を模擬したシナリオを取り入れる。また、歩行者頭部保護性能試験では、試験に使用するインパクターを、より人体に忠実な「aPLI」に変更する。
今回、ファイブスター賞にはトヨタ自動車「シエンタ」やホンダ「ステップワゴン」といったミニバンがランクインした。ミニバンの後席で事故の被害が大きいなどの実態やデータが増えた場合も、それに即した評価を検討していくという。安全は自動車メーカーが作り込むばかりでなく、ユーザーがシートベルトを着用し、寝そべるなどせず正しい姿勢で乗車することも重要だ。
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