オムロンの仮想化制御プラットフォームは、制御機器のソフトウェアをクラウドから一元管理できるようになるだけでなく、新たな機能を持ったアプリケーションの開発を容易にし、迅速かつ高頻度にリリースできるという効果も得られる。「製造業などでIoT(モノのインターネット)活用におけるPoCからの脱却が課題になっているが、そこで必要になるのが内製化だ。レッドハットはコンテナなどのクラウドネイティブな技術をエッジコンピューティングに適用し内製化を容易にするソリューションを提供している」(レッドハット テクニカルセールス本部エコシステムソリューションアーキテクト部 クラウドスペシャリストソリューションアーキテクトの小野佑大氏)という。
その一方で、エッジで生成されたデータをクラウドに集約するとクラウド側にアプリケーションが張り付いてしまう「データグラビティ」という問題も指摘されている。データグラビティが起こるとアプリケーションの実行環境が固定されてしまうが、レッドハットはこのような事態を避けるためにデータが生成される箇所で「適材適所に」(小野氏)アプリケーションを実行できるソリューションも用意しているという。
その代表例が、リソースが限られるエッジデバイス上でもコンテナによるアプリケーションの柔軟なデプロイ/アップデートを可能にする「Red Hat Device Edge」だ。Red Hat Device Edgeは、Linux OS「Red Hat Enterprise Linux(RHEL)」と軽量のKubernetesオーケストレーションソリューション「MicroShift」を組み合わせており、ハードウェアの最小要件を2CPUコア/RAM容量2GBに抑えている。
2023年1月にデベロッパープレビューが公開されたRed Hat Device Edgeだが、オムロンが仮想化制御プラットフォームの本格稼働とグローバル展開を進める際に活用されることが期待されているという。
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