古河電気工業は、千葉事業所内に、インフラ構造物向け表面処理ソリューション「インフラレーザー」の共創拠点「インフラレーザーラボ」を開設した。
古河電気工業(以下、古河電工)は2023年1月26日、同社の千葉事業所(千葉県市原市)で会見を開催し、インフラ構造物向け表面処理ソリューション「インフラレーザー」の共創拠点「インフラレーザーラボ」を同事業所内に開設したことを発表した。その後、会場を移し、インフラレーザーラボの見学会とインフラレーザーのデモンストレーションを行った。
インフラレーザーラボは、同社のレーザー発振器を用いたソリューションの開発をパートナーとともに行う拠点となっており、広さが45m2で天井高が約5mの実験スペースを確保している。
古河電工 営業統括本部 ソーシャル統括部長 奈良一孝氏は、「インフラレーザーは、当社のレーザー発振器、レーザー(照射)ヘッド、これらを装着するロボット(ドローンや重機を含む)などで構成され、構造物のサビ取り、塗膜除去、コンクリートを切ったり削ったりといったはつり作業で使える。しかし、サビ取り、塗膜除去、コンクリートのはつり作業は対象構造物によって求められる加工が異なる他、必要となる仕様が違う。そこで当社は、道路や鉄道、電力、船舶、タンクなど、それぞれのセグメントに適したインフラレーザーのソリューションを開発するためにインフラレーザーラボを開設した。今後は、さまざまな業界のパートナー企業とともに、各業界に最適なインフラレーザーのソリューションを開発し、関連する業界に外販して、2030年度までにインフラレーザーの事業で100億円の売上高を目指す」と語った。
当面はインフラレーザーで使用するレーザー発振器には出力が6kWのマルチモードファイバーレーザーを採用し、年間当たり10〜20社のパートナー企業とともにインフラレーザーのソリューションを開発する見込みだという。パートナー企業とともに開発したインフラレーザーのソリューションを屋外や実際の構造物に適用するために、敷地内にはレーザー発振器や周辺機器を積み込める出張実験用車両も用意している。
インフラレーザーラボで行われたデモンストレーションでは、6kWのマルチモードファイバーレーザー、照射ヘッド、遠隔ロボット、集じん機で構成されるインフラレーザーを用いて、15cm四方の金属に対しサビ取りと塗膜除去を行った。なお、インフラレーザーでは、レーザーシステムの開発から構造物への施工に至るトータルソリューションにとどまらず、レーザーシステムの開発と提供、レーザーシステムの提供だけなど、顧客のニーズに合わせた提案に対応している。
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