3階では、来場者が、プラスチックリサイクル工場見学に参加している設定で、静電選別をモチーフとした2種類のゲームを行う。静電選別のゲームでは、リサイクルのために小さく砕かれたプラスチックが季節や状況に応じて量や動きが変わる現状を踏まえ、ターンテーブルイメージしたコントローラーで電圧を調整するタイプと、クロスフェーダーをモチーフとしたコントローラーで仕切り位置を変更するタイプの2種類を用意しており、いずれも仮想空間上で破砕したプラスチックを高精度で回収する。利用者が、このゲームをうまく操作できると、星の数で評価されゲーム内で盛り上がるBGMが流れるという仕掛けも用意している。
通常は家電機器の内側などに使うことが多い再生プラスチックを外側に使用した冷蔵庫とエアコンのコンセプトモデルも展示している。再生プラスチックのパレットは色を白とすることが難しいため、コンセプトモデルの色にはベージュを採用した。なお、現在のプラスチックリサイクル技術では、再生プラスチックの表面に微細なシミが浮かび、家電機器の外観部分での採用は難しいため、リサイクル技術向上後にコンセプトモデルの製品化を目指すという。
また、DJ工場長が今回の展示に関する理解度をチェックするクイズゲームも備えているだけでなく、3階に設置されたゲームの結果やクイズの正答率によってランク分けされた認定証を得られるQRコードと専用サイトも用意している。
三菱電機 宣伝部 METoAコミュニケーショングループ 専任 深澤辰彦氏は、「これまでMEToA Ginzaで当社が行っていたイベントは、銀座の地域特性を踏まえ、中高年などを対象としていたが、今回のイベントでは、リサイクルやサステナビリティに関心がある若者をターゲットとした。そのため、若者の多くが興味があるゲームなどで当社のリサイクル技術を体感できるようにした」と話す。
なお、プラスチック選別技術として披露した比重選別は、破砕したプラスチックを水に浮かべ、他のプラスチックより軽く浮かぶ比重が1.0未満のPPを選別する。静電選別は、PSやABSの破砕片を入れた帯電筒を回転させることで、PSとABSの破砕片をすり合わせて静電気を起こし、プラス帯電させたABSをマイナス電極で引き寄せ、マイナス帯電させたPSをプラス電極で引き付け、分ける。X線選別は、プラスチックにX線を当てて生成した透過画像から「臭素系難燃剤」が含まれているプラスチック片を見つけてエアガンで吹き飛ばす。静電選別とX線選別に関しては三菱電機グループが独自開発した選別機を使用しているという。
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