海老名駅周辺のデジタルツインを拡大、東大ソフトバンク小田急で : モビリティサービス
東京大学とソフトバンク、小田急電鉄は2023年1月17日、「次世代AI都市シミュレーター」の実証エリアを拡大したと発表した。
東京大学とソフトバンク、小田急電鉄は2023年1月17日、「次世代AI都市シミュレーター」の実証エリアを拡大したと発表した。これまでは小田急線 海老名駅の周辺にある一部の商業施設が対象だったが、同駅周辺エリアまで広げた。デジタルツインを用いて人流を分析することにより、都市部の課題解決の手法を確立することを目指す。
実証実験の対象エリア[クリックで拡大] 出所:小田急電鉄
次世代AI都市シミュレーターは、AI(人工知能)の研究機関「Beyond AI 研究推進機構」における研究テーマの1つとして、東京大学とソフトバンクが2021年4月から研究開発に取り組んでいる。
これまでは、現実空間の人流や交通、購買、来訪者など匿名化された属性データとデジタルツインを用いてデジタル空間上に海老名駅周辺エリアを再現。商業施設内に設置したビーコンやデジタルサイネージなどを活用した情報提示によるインセンティブ(動機付け)が行動変容を促す効果を検証している。
この結果を基に、商業施設の来館者数の増加や売り上げ向上の効果を予測し、商業施設での買い物の行動変容を促す人流誘導アルゴリズムを開発するとともに、シミュレーション結果の可視化などを進めてきた。
次世代AI都市シミュレーターのエリアを広げることで、人流誘導の効果をさらに向上させることを目指している。商業施設への訪問者だけでなく居住者や通勤してくる人なども対象とし、割引クーポンなど生活に密着した情報や飲食店の混雑状況などを提供する。また、商業施設のテナントに対しても人流の予測情報を提供し、スタッフの勤務シフトや配置の最適化、仕入れ、在庫管理、空調の管理などを効率化できるようにしていく。
小田急電鉄は「職、住、商、学・遊」の生活シーンを充実させることで、暮らしやすさの向上や地域経済の活性化につなげていく。
アプリを通じた情報提供のイメージ[クリックで拡大] 出所:小田急電鉄
VIDEO
「次世代AI都市シミュレーター」の小田急線海老名駅周辺エリアでのイメージ[クリックで再生] 出所:ソフトバンク
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いまさら聞けない「デジタルツイン」
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小田急電鉄の「MaaSアプリ」が急速な進化を遂げている。同社は2018年末にMaaS(Mobility-as-a-Service、自動車を所有せず移動をサービスとして利用すること)での協業を決定。2019年4月にヴァル研究所とともに交通に関するデータ基盤「MaaS Japan」の開発を開始し、同年10月末にMaaS Japanを活用したスマートフォン向けアプリ「EMot(エモット)」をサービスインした。
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2020年9月2日にはオンラインシンポジウムを開催し、全国から事業者が参加した。シンポジウムでは「地方版MaaSにおけるデータ連携」と「低密度・中山間地域における地域課題解決」をテーマとした2つのパネルディスカッションを行った。
過疎地の移動手段確保にも、国交省が地域課題解決に貢献するMaaS事業を支援
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品川駅のタクシー乗り場の混雑が分かる、JR東日本と日立でリアルタイム情報提供
東日本旅客鉄道(JR東日本)と日立製作所、DXCテクノロジー・ジャパンは2022年11月7日、タクシー乗り場の混雑状況などを可視化する実証実験を実施すると発表した。
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日立製作所と西日本鉄道は2022年1月11日、福岡市とその近郊において、公共交通機関利用者の行動変容を促す実証実験を実施すると発表した。期間は同年2月1日〜3月7日。両社による同テーマの実証実験は2度目となる。
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