ルネサス エレクトロニクスとフィックスターズは、ADおよびADAS向けAIソフトウェアを車載用SoC「R-Car」に最適化するツール群を共同で開発した。第1弾として、「R-Car V4H」向けツールの提供を開始した。
ルネサス エレクトロニクス(ルネサス)は2022年12月15日、AD(自動運転)とADAS(先進運転支援システム)向けのAIソフトウェアを車載用SoC「R-Car」に最適化し、高速にシミュレーションできるツール群を発表した。
フィックスターズと共同開発したもので、今回は第1弾として、最大34TOPS(毎秒34兆回)のディープラーニング性能を低消費電力で実現するAD/ADAS用「R-Car V4H」向けツールの提供を開始。ネットワークモデル生成ツール「R-Car NAS(Neural Architecture Search)」、コンパイルツール「R-Car DNN Compiler」、シミュレーションツール「R-Car DNN Simulator」の3種で、開発の手戻りを低減して開発サイクルの短縮につながる。
R-Car NASは、R-Carに搭載されたCNNアクセラレーターやDSP、メモリの利用を効率化する深層学習ネットワークモデルを生成する。R-Carに不慣れでも、認識精度や処理時間の要件が満たせる軽量なネットワークモデルを短期間で開発できる。
R-Car DNN Compilerは、最適化したネットワークモデルをR-Car向けにプログラム変換するコンパイラ。CNN IPを用いて高速に実行できるプログラムに変換し、高速かつ小容量なSRAMを最大限活用できるようにメモリも最適化する。
R-Car DNN Simulatorは、R-Carのチップを実際に使わずとも、PC上で高速にプログラムを動作検証できるシミュレーターだ。R-Carと同等の演算結果が得られる。
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