メディカル事業の強化を目指し、米国に新会社を設立：医療機器ニュース

キヤノンは、米国に新会社「Canon Healthcare USA, INC.」を設立する。メディカル事業の成長を加速するため、メディカル市場において影響力が強い米国での事業強化を図る。

[MONOist]

　キヤノンは2022年11月24日、米国に新会社「Canon Healthcare USA, INC.」を設立すると発表した。メディカル事業の成長を加速するため、メディカル市場において影響力が強い米国での事業強化を図る。将来的には、米国内での開発や製造なども視野に入れている。

　新会社は、2023年1月にオハイオ州クリーブランド市近郊で設立し、従業員数は約20人の予定。米国およびグローバルにおけるマーケティング、米国でのコンポーネント事業の統括を行う。

　これまでメディカル事業のマーケティング機能を集中して担っていたキヤノンメディカルシステムズから、一部の機能を新会社に移管。アップストリームマーケティングを強化するため、「グローバルマーケティングセンター」を立ち上げる。

　最先端医療を担う医療機関とネットワーク構築し、医療市場のトレンドや臨床ニーズを捉えた製品開発、ソリューション提案につなげる考えだ。CTの世界シェア1位を目指し、フォトカウンティング検出器搭載型X線CTの実用化研究に向け、米国の医療機関との共同研究を予定している。

　また、キヤノンメディカルの現地法人Canon Medical Systems USAによる製品販売やサービスの機能の一部も新会社に移設。米国における画像診断領域でのシェア向上を目指し、ダウンストリームマーケティングと連携させる。

　2019年にキヤノングループの一員となったMRIの基幹部品の開発製造を手掛けるQuality Electrodynamicsは、新会社の設立候補地であるクリーブランド市近郊に立地する。同社を新会社の傘下として位置付け、システム事業とコンポーネント事業の連携強化を図る予定だ。

　さらに、ボストンのHealthcare Optics Research Laboratory（HORL）で10年にわたり実施してきたマサチューセッツ総合病院、Brigham and Women's病院との先端技術に関する共同研究は、グローバルマーケティングセンターとの連携のもと、事業化を目指してキヤノンメディカルシステムズが引き継ぐ。