DMG森精機が最新機種で工程集約を提案、金属3Dプリンタの受託加工を東京でも開始工作機械(1/2 ページ)

DMG森精機は2022年11月8〜13日まで、東京グローバルヘッドクォータ(東京都江東区)においてオープンハウスを開催し、工程集約をキーワードとして最新の工作機械を多数披露した。同月9日にはメディアにもその模様を公開した。

» 2022年11月25日 13時00分 公開
[長沢正博MONOist]

 DMG森精機は2022年11月8〜13日まで、東京グローバルヘッドクォータ(東京都江東区)においてオープンハウスを開催し、工程集約をキーワードとして最新の工作機械を多数披露した。同月9日にはメディアにもその模様を公開した。

欧州では関心高い工程集約

 ショールームに入ってすぐ置かれていたのが、同年6月に発表して国内初披露となる旋削とミーリングの複合加工機「NTX500」だ。同社の複合加工機の中で3480×2060mmと最小のフロアスペースとなっており、工場スペースに制約がある企業にも訴求する。

 全長250mmという世界最小クラスのターンミル主軸を搭載しており、最高回転速度は毎分3万回転、高速仕様なら毎分4万2000回転となっている。90度回転したターンミル主軸が左右主軸の間にある場合でも、第2刃物台との干渉がなく、左主軸と右主軸で同時加工が可能になっている。

 最高回転速度毎分1万2000回転のミーリング主軸を標準搭載しており、±30mmの広範囲なY軸ストロークでターンミル主軸と第2刃物台による上下同時加工ができる。工具は最大114本収納する。

 オプションで機内走行式ロボットシステム「IMTR」と連携でき、多品種ワークのハンドリング、洗浄、バリ取りなどワークの供給から完成品排出まで行うことができる。手押し台車に協働ロボットを搭載した「MATRIS Light」も使用可能で、幅広い自動化に対応する。

機内走行式ロボットシステム「IMTR」と連携した複合加工機「NTX500」 機内走行式ロボットシステム「IMTR」と連携した複合加工機「NTX500」[クリックして拡大]

 同じく国内初披露となったのがターレット型複合加工機「NZ Platform」だ。最大4つの刃物台を搭載でき、量産が必要な複雑形状のワークを1台で高精度に加工する。

 機械構成を柔軟に組み合わせつことができるのも特徴の1つだ。刃物台は搭載台数や配置、B軸機能の有無を自由に選択でき、例えば4つの刃物台を載せ、全てにミーリング機能、Y軸機能を標準搭載し、さらにオプションでB軸機能も搭載できる。

 最大加工長さは740mmと1290mmから選べる。ターニング用主軸は最高回転速度毎分7000回転のturnMASTERを両主軸に搭載し、ミーリング主軸の最高回転速度は毎分1万2000回転となっている。新開発のツインスピンドルのダブルコレット仕様をZ軸に搭載した場合、ツインスピンドルの両端主軸で同時加工が可能になる。

 同機もワーク搬送が可能な機内走行式ローダシステムや素材の自動供給を行うバーフィーダーとの連携により、さらなる自動化を実現する。

 DMG森精機 執行役員 機械設計担当の栗谷龍彦氏は「工程集約が進んでいる欧州では、4つの刃物台に関しても関心が高いが、日本はまず工具の干渉などを気にする。そういった意味で日本はまだ工程集約のポテンシャルがある」と話す。

ターレット型複合加工機「NZ Platform」から2刃物台の「NZ DUE」[クリックして拡大]
デモンストレーション中の「NZ DUE」の機内[クリックして拡大]
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