アルムは、「CEATEC 2022」のスタートアップ&ユニバーシティエリアに出展し、工作機械による切削加工に必要なNCプログラムを3D CADの設計データから自動生成するソフトウェア「ARUMCODE1」を展示した。これまで手作業で30分程度かかっていたNCプログラムの作成を自動化するとともに1分で完了でき、属人的なミスも防げるようになるという。
アルムは、「CEATEC 2022」(2022年10月18〜21日、幕張メッセ)のスタートアップ&ユニバーシティエリアに出展し、工作機械による切削加工に必要なNCプログラムを3D CADの設計データから自動生成するソフトウェア「ARUMCODE1」を展示した。これまで手作業で30分程度かかっていたNCプログラムの作成を自動化するとともに1分で完了でき、属人的なミスも防げるようになるという。2021年の発売からこれまでに127本のライセンス販売実績がある。「CEATEC AWARD 2022」の「デジタル大臣賞」を受賞しており、これをきっかけにさらなる販売拡大を目指す方針だ。
ARUMCODE1は、3D CADの設計データから変換したSTL形式のデータを読み込むことで、形状解析、加工割り付け、工具選定、加工条件選定、加工パス計算などをAI(人工知能)によって自動で行い、ワンステップでNCプログラムを自動生成する機能を備えている。STLデータは一括読み込みが可能で、最大500枚まで対応する。
NC制御盤はファナックと三菱電機の製品に対応している。国内市場では両社で合わせて8〜9割のシェアを占めることから、ほとんどの工作機械に対応できるとする。ユーザーごとに異なるNC制御盤の設定への合わせ込みは、ARUMCODE1の設定を変更することで対応可能で、個別のカスタマイズは必要ない。
ARUMCODE1で生成したNCプログラムによる加工精度は、寸法公差±10μm、形状公差±5〜15μm、表面粗さRa0.5前後を実現できる。ユーザーが加工の追い込みを行いたい場合には、ARUMCODE1のNCプログラムで加工してから、工作機械側の設定調整で対応すればよい。
国内の製造業では、図面や2D CADデータを基にNCプログラムを作成することも多く、この場合は3D CADデータが存在しないため、ARUMCODE1によるNCプログラムの自動生成ができない。アルムでは、ARUMCODE1のユーザー向けに、図面や2D CADデータを3D CADデータに変換するサービスも提供している。
ARUMCODE1のライセンスは、USBドングルを使ってPCにインストールする形式になっている。1本のライセンスで50台のNC制御盤で利用できる。
現在のバージョンは3軸加工まで対応しており、2023年春をめどに5軸加工に対応するための開発を進めている。このメジャーバージョンアップと併せて、海外展開に向けてシーメンスやハイデンハインなどのNC制御盤への対応を図るとともに、クラウドでのアプリケーション提供も検討している。
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