GITAI Japanは、宇宙ロボットの作業性を高めるために、シャクトリ虫型ロボットアーム「GITAI IN1」を開発し、JAXA相模原の模擬月面環境における試験で、NASAの技術成熟度レベル「TRL 3」を満たすことを確認した。
GITAI Japan(GITAI)は2022年8月17日、宇宙ロボットの作業性を高めるために、シャクトリ虫型ロボットアーム「GITAI IN1(Inchworm One)」を開発したと発表した。JAXA相模原の模擬月面環境を使った試験で、NASA(米国国空宇宙局)の技術成熟度レベル「TRL 3」を満たすことを確認した。
GITAI INIは、アームの両端に備えた「グラップルエンドエフェクタ」で、手先のツールを交換できる。また、移動体や建造物に複数設置した「グラップルフィクスチャ」との着脱を繰り返すことで、ロボットアームは移動する。グラップルフィクスチャに充電機能を加えれば、ロボットアームの充電と移動も両立できる。
月面資源採取作業を想定した今回の実証実験では、GITAI INIと月面作業用ロボットローバー「GITAI R1」を組み合わせ、1台のロボットアームで複数の作業をする「タスク性能」と、移動体と接続して広範囲で作業する「移動性能」を検証した。
その結果、GITAI INIが切削工具やシャベルなどツールを交換しながら、資源サンプルの破壊、回収、運搬ができた。また、シャクトリ虫のように自律移動して月面着陸機からローバーに移り、作業後に再び着陸機に戻れることを確認できた。
今後は、地上および宇宙空間でのシステムとしての技術成立性を確認し、「TRL 6」「TRL 7」の達成を目指す。
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