2022年のカーボンリサイクル世界市場は約18兆円、2050年には276兆円に脱炭素

富士経済は、カーボンリサイクル、二酸化炭素削減関連技術、材料の世界市場について、調査および予測結果を発表した。カーボンリサイクルの世界市場全体では、2022年見込みが17兆8267億円、2050年予測を276兆6405億円としている。

» 2022年08月18日 10時00分 公開
[MONOist]

 富士経済は2022年7月28日、カーボンリサイクル、CO2削減関連技術、材料の世界市場について、調査および予測結果を発表した。

 カーボンリサイクルの世界市場全体では、2022年見込みが17兆8267億円、2050年予測を276兆6405億円としている。同市場における4分野「CO2分離技術(装置型)」「CO2分離技術(自然吸収型)」「CO2分離技術材料」「CO2利活用製品」の調査、予測結果は次の通りだ。

 CO2分離技術(装置型)には、化学吸収や物理吸収、膜分離、CO2を大気から回収するDAC(Direct Air Capture)などがある。特にDACは欧米で大型装置の建設プロジェクトが進んでいるという。同社は同分野の世界市場を、2022年見込みが1030億円で、2050年には8067億円まで成長すると予測する。

 CO2分離技術(自然吸収型)は、大気中から取り込まれて陸上の植物中に固定されている炭素「グリーンカーボン」と、海洋生物の作用によって大気中から海中に吸収された炭素「ブルーカーボン」に大別される。現在の市場は、CO2吸収量の算定方法が確立しているグリーンカーボンが先行している。同分野の世界市場は2022年見込みが7兆8440億円で、2050年予測は201兆9200億円となっている。

 CO2分離技術材料は、CO2分離技術(装置型)に用いられる材料だ。膜分離に用いる高分子膜が約70%を占めている。同分野の市場はCO2分離技術(装置型)市場に連動して拡大し、2022年見込みが4931億円、2050年には2兆7223億円に達すると予測される。

 CO2利活用製品は、既に商用化されている尿素が約90%を占める。肥料向けに供給されるものが多く、ロシアやアジア、アフリカ地域での農作物生産が増加するにつれて市場が拡大。2022年見込みが9兆3866億円で、2050年に71兆1915億円に拡大すると予測される。同社はCO2利活用製品の注目市場として、コンクリートを被CO2固定材料とする「炭酸塩化」と大気中の排ガスからCO2を分離、回収して地中に貯留する技術「CCS(Carbon dioxide Capture and Storage)」を挙げている。

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