日立産機システムは、米国でレーザーマーカーの製造と販売を手掛けるテレシス・テクノロジーズを買収した。インクジェットプリンタを中核に展開してきたマーキング事業に、テレシスのレーザーマーカーなどを加えてポートフォリオを拡充するとともに、テレシスの販売チャネルを通じて北米の自動車、航空、重工業分野への事業拡大を目指す。
日立産機システムは2022年7月22日、米国でレーザーマーカーの製造と販売を手掛けるテレシス・テクノロジーズ(Telesis Technologies、以下テレシス)を買収したと発表した。インクジェットプリンタを中核に展開してきたマーキング事業に、テレシスのレーザーマーカーなどを加えてポートフォリオを拡充するとともに、テレシスの販売チャネルを通じて、これまで得意としてきた食品、飲料、化粧品、薬品分野だけでなく、北米の自動車、航空、重工業分野への事業拡大を目指す。
1971年創業のテレシスは本社を米国オハイオ州サークルビルに置く。主力のレーザーマーカーの他、針状の金属を鉄製品などに打ち付けてドットで刻印するドットピーンマーカーは世界トップレベルのシェアを有している。米国内で開発、製造、エンジニアリング、販売、保守サービス拠点を展開するとともに、中国に製造、販売、保守サービスの拠点、欧州に販売と保守サービスの拠点を有している、資本金は約525万米ドル(約6億8250万円)で、従業員数は約160人。2021年12月期の売上高は約4200万米ドル(約55億円)だった。
日立産機システムは2022年4月に、ドイツで医療用器具や電子機器などの特殊用途向けレーザーマーカーを手掛けるフォトン エナジー(PHOTON ENERGY)を買収している。テレシスのレーザーマーカーは、フォトン エナジーの製品と技術的補完性が高く、これらと日立産機システムのインクジェットプリンタを組み合わせることで製品ポートフォリオを大きく拡充できるという。北米市場では、日立産機システムの食品、飲料、化粧品、薬品分野の販売チャネル、テレシスの自動車、航空、重工業分野の販売チャネルを相互に活用したクロスセルを強化していく方針だ。
また、レーザーマーカーとドットピーンマーカーを展開するテレシスの保守サービス力を生かしてリカーリング事業の拡大も目指す。将来的には、日立製作所のコネクティブインダストリーズセクターが提供するデジタル技術とマーキングシステムをつないだデジタルソリューションとしての展開も見据えている。
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