パナソニック コネクトが「現場プロセスイノベーション」の物流分野における自社実践の場とする彩都パーツセンターを報道陣に公開。2018年10月の稼働開始から、生産性分析の工数削減やピッキング効率の向上、コストの適正化などで成果を上げており、今後はこれらの自社実践ソリューションをSaaSアプリケーションとして切り出し外販していく計画である。
パナソニック コネクトは2022年6月16日、同社が掲げる「現場プロセスイノベーション」の物流分野における自社実践の場となっている彩都パーツセンター(大阪府茨木市)を報道陣に公開した。2018年10月の稼働開始から、生産性分析の工数削減やピッキング効率の向上、コストの適正化などで成果を上げており、今後はこれらの自社実践ソリューションをSaaSアプリケーションとして切り出し外販していく計画である。
2022年4月に発足したパナソニック コネクトは、SCM(サプライチェーンマネジメント)ソリューションをクラウドで展開するブルーヨンダー(Blue Yonder)を中核とするソフトウェアベースの成長事業に注力する方針を示している。この成長事業において、SCMの計画系を担うブルーヨンダーに対して、製造の“造る”、物流の“運ぶ”、小売りの“売る”といった各現場を最適化する実行系に当たるのが現場プロセスイノベーションから生み出したソリューションである。
パナソニック コネクト 現場ソリューションカンパニー エグゼクティブコンサルタント、エバンジェリストの一力知一氏は「現場プロセスイノベーションは、パナソニックが100年以上のモノづくりの現場で培ってきたIE(インダストリアルエンジニアリング)とDX(デジタルトランスフォーメーション)を融合することで実現できると考えている。彩都パーツセンターは、“運ぶ”に当たる物流の現場プロセスイノベーションを実践する場になる」と語る。
パナソニック コネクトは、同社の考える現場プロセスイノベーションが物流や流通の分野で強く求められつつあると想定している。これは、企業の競争力を構成する「オモテ」と「ウラ」のうち、ウラの競争力であるオペレーション能力が重要になってきているためだ。「製造業の場合オモテとウラの比率は半々といったところだが、流通業などではこれまでオモテが100%だった。これがオモテ7、ウラ3くらいの比率に変わりつつある」(一力氏)。
パナソニックの工場や倉庫は、IEとDXを融合させた現場プロセスイノベーションによってウラの競争力を日々鍛えている。特に、オペレーションを効率よく進める上での障害となるボトルネックを見つけ出して課題を特定し、新しい業務プロセスを作るためのIEの知見が大きな武器になっている。このサイクルを、SaaSでアシストして高速に回すのがDXの役割だ。
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