hanaraviによる、最初の診療から矯正完了までの大まかな流れは次の通りだ。まず、無料相談を利用して、現在全国3拠点(東京、大阪、京都)ある提携先の歯科医院に来院し、仕上がりイメージの確認や費用、治療期間などをすり合わせる。そして、口腔内スキャン(別途費用)により精密な歯型データを取得し、治療計画と方針を決める。その後、仕上がりイメージと矯正プランが「LINE」で送られてくるので、問題なければ正式に契約を取り交わし、治療をスタートする。
マウスピースは毎月患者の自宅に配送され、決められた期間、毎日使用する。さらに、2週間ごとに患者自身が歯の写真を撮り、LINEで送付する形で経過観察を進めていく。矯正完了後は、アフターフォローなども受けられる。
「マウスピースを交換するタイミングなども知見がたまってくれば、今後変わってくる可能性もあるが、現状は1〜2週間に1度のペースで交換となり、1回の交換で0.25mmずつ歯を動かしていくイメージだ。ワイヤーによる矯正と比べて痛みもほとんどなく、違和感も少ない」(各務氏)
hanaraviは、歯の歪みやガタつきのレベルに応じて「Basic」「Medium」「Pro」の3つの料金プランを用意する他、ワイヤー矯正を組み合わせた「Hybrid」にも対応する。例えば、Basicであれば一括払いで税込み33万円で、矯正期間の目安は5〜7カ月程度となっている。基本的には追加料金なしで治療を完結できる。また、月々4700円から始められるデンタルローンを利用することも可能だ。
また、患者だけでなく歯科医院にとってもメリットがあり、hanaraviのシステムやLINEなどのデジタルツールの活用によって、1患者当たりの対応時間を短くすることが可能となり、より多くの患者の診察が行えるようになる。さらに、hanaraviを通じて、新規患者の継続的な獲得にもつなげられる。
「治療費が従来の3分の1程度とかなり安く済むため、“安かろう悪かろう”と思われるかもしれないが、われわれがhanaraviで目指しているのは、歯科矯正を専門とする歯科医院と、3Dプリンタをはじめとするテクノロジーの融合による高度で質の高い治療の実現だ。また、マウスピースの製造自動化によって原価を抑えながら、より多くの枚数のマウスピースを使うことで、治療期間の短縮や治療効果の向上を図ることもできる。世の中にはマウスピース歯科矯正を行う競合他社も存在し、日本でも10社ほど進出しているが、われわれはリーズナブルかつ治療効果の高いポジションに位置することで、競合優位性を発揮していきたい」(各務氏)
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