パナソニック コネクトは、ゼテスの現場実行系サプライチェーンソフトウェアを中核とした「配送見える化ソリューション」と頑丈ハンドヘルド端末「TOUGHBOOK」が、トヨタモビリティパーツによる自動車部品の共同配送に採用されたことを発表。2022年4月から同社の栃木支社で稼働を開始しており、今後全国展開も進めていく方針である。
パナソニック コネクトは2022年6月14日、東京都内で会見を開き、ゼテス(Zetes Industries)の現場実行系サプライチェーンソフトウェアを中核とした「配送見える化ソリューション」と頑丈ハンドヘルド端末「TOUGHBOOK(タフブック)」が、トヨタ自動車グループ傘下で自動車関連部品/用品の卸売を手掛けるトヨタモビリティパーツの自動車部品の共同配送に採用されたことを発表した。2022年4月から同社の栃木支社で稼働を開始しており、今後全国の拠点への展開も進めていく方針である。
配送見える化ソリューションは、物流業務を管理するオペレーターのPCと配送トラックのドライバーの端末を、クラウドサーバを通じて相互連携し、配送状況や配送作業をリアルタイムに把握することで業務効率化を可能にする。パナソニック コネクト(当時はパナソニック コネクティッドソリューションズ社)が2017年7月に買収したベルギーのゼテスが展開する配送現場のプロセスを見える化するシステム「ZETES CHRONOS」を中核に、パナソニック コネクトがサプライチェーンの現場で培った技術力、サービス/サポート力を組み合わせることで実現した。
パナソニック コネクト モバイルソリューションズ事業部 事業開発部 Zetes事業課 課長の計盛大氏は「当社はサプライチェーン領域においてソフトウェアベースで成長を目指している。クラウドでさまざまなデータの収集、分析が可能なブルーヨンダー(Blue Yonder)とともに、現場のアナログデータをデジタルに変えるゼテスのソフトウェアも重要な役割を果たす」と語る。欧州を中心に事業を展開するゼテスだが、現在は売上高の約4割がリカーリングビジネスとなっており、2018年12月に立ち上げた日本国内での事業も、食品や酒類などを中心に採用が拡大しつつあるという。
今回、配送見える化ソリューションを採用したトヨタモビリティパーツは、「深刻なドライバー不足」「進まないデジタル化」「環境への配慮」といった物流業界の課題を、ダイハツ工業やSUBARU(スバル)とともに自動車メーカーの垣根を超えた部品の共同配送を行うことで解決を目指している。しかし、共同配送を実現するには、トヨタ自動車、ダイハツ、スバルでそれぞれ異なる管理体系を統一化して、荷物の追跡や急な変更対応などに対応できるシステムを構築する必要があった。
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