連載「テルえもんの3Dモノづくり相談所」では、3Dモノづくりを実践する上で直面する“よくある課題”にフォーカスし、その解決策や必要な考え方などについて、筆者の経験や知見を基に詳しく解説する。最終回となる第12回は、過去11回にわたってお届けしてきた内容から“重要ポイント”を抽出し、【総まとめ】とする。
本連載「テルえもんの3Dモノづくり相談所」では、3D CADによるモデリング方法からデータ共有、道具(ツール)選びのポイントなど、3Dモノづくりを実践する上で直面する“よくある課題”にフォーカスし、その解決策や必要な考え方などについて、筆者の経験や知見を基に詳しく解説してきました。
さて、いよいよ本連載も最終回です。今回は、過去11回にわたってお届けしてきた内容から“重要ポイント”を抽出し、【総まとめ】といたします。
設計現場にとって、2D CADから3D CADへの移行は簡単なことではありません。ソフトウェアの操作性が変わることはもちろんのこと、これまでの設計プロセスを変えたり、社内全体の業務の流れや仕組みを変えたりする必要があります。「3D CADソフトウェアを導入すれば終わり!」というわけにはいかないのです。
連載第1回「2D CADから3D CADへの移行はどうしたらいいの?」では、設計環境を2D CADから3D CADへ移行するために、方向性の提示、仕組みの構築、運用・成果創出の3つのステップを紹介しました。また、デジタル化に必要な役割として、
と呼ばれる、“6つのデジタル人材”の必要性も紹介しています。
連載第2回「2D CADと3D CAD、設計環境としての“違い”とは?」では、2D CADと3D CADの違いについて、作図機能や価格、習得時間などを比較した結果を紹介しました。2D CADは2D設計を、3D CADは3D設計と2D設計の両方を行うことができることを説明し、「CAD」と「設計」、そして「2D CAD」と「2D設計」は“別物”であり、「設計」と「製図」も異なるものであることを取り上げました。
2D設計と3D設計にはそれぞれ良しあしがありますが、両方使えることが重要で、3D CADでも「スケッチ」機能を使うことで2Dでの設計検討が可能で、3Dモデルから2D図面を作製できることを紹介しました。
そして、設計者だけが3Dデータを活用しているようでは、その効果は最大限に発揮されず、“真の3Dモノづくり”は実現できません。連載第9回「3Dデータを他部門にも共有して全社でうまく活用したい……」では、設計部門が3D CADで作成した3Dデータを、社内の他部門とも共有して社内全体で3Dデータを活用していく方法について解説しました。
Viewer(ビュワー)を活用することで、一般的なPC環境でも3Dデータをクルクルと軽快に回しながら、さまざまな角度から形状を確認できることを説明しました。また、製造現場で3Dデータを確認しながら組み立て作業を行ったり、営業先で3Dデータを見ながら打ち合わせを行ったりなど、さまざまなシーンで活用できる事例も紹介しました。
さらに、3Dデータ共有の“次のステップ”と題して、「DMU(デジタルモックアップ)ツール」としての活用例も紹介し、ラティス・テクノロジーの「XVL Studio」や富士通の「COLMINA デジタル生産準備 VPS(Virtual Product&Process Simulator)」などの機能を紹介しました。
すぐに2D図面が不要になるわけではありませんが、徐々に“3Dデータを正にしたモノづくり”へ移行してほしいことをお伝えしました。
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